1998 Fiscal Year Annual Research Report
超高真空電子顕微鏡内ナノ加工と原子架橋トンネル現象の研究
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09304036
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
高柳 邦夫 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 教授 (80016162)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 義文 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助手 (80272699)
平山 博之 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (60271582)
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Keywords | 量子化コンダクタンス / ナノワイヤ / 鉛ナノワイヤ / 白金ナノワイヤ / 超高真空電子顕微鏡 |
Research Abstract |
金属ワイヤの構造とバリスティック電気伝導の関係を調べた.金属では、フェルミ波長が短く、原子が一列に並んだ原子鎖で1/13kohmの量子化コンダクタンスを持つことが示されている.鉛ナノワイヤと白金ナノワイヤについて研究結果を得た.鉛ナノワイヤについては、STM探針を鉛表面に接触させたあとで引き出すことによって探針と表面の間に鉛ナノワイヤを作った.電極間に電圧を印加したときにナノワイヤに流れる電流をデジタルオシログラフに記録した.その結果、コンダクタンスはある一定のトビトビの値を持つことが示され、鉛ナノワイヤがその太さに応じた量子化コンダクタンスを持つことを明らかとした.この量子化コンダクタンスは固体の鉛よりも融解した鉛の場合に大きい値をもった.さらに、融解した鉛ナノワイヤの電流-電圧特性は正負バイアスで異なるpn接合的振る舞いが見られた.また、微分コンダクタンスは振動的振る舞いを示し、この振動が量子化状態に一対一対応する可能性を指摘した.次に、白金ナノワイヤの構造を超高真空電子顕微鏡法により検討した.白金の薄膜を作製し、これを電子顕微鏡内で強い電子線で照射することにより、ナノワイヤを得た.1nm程度のワイヤの構造は金ナノワイヤのものと酷似していることが分かった. 年度当初予定したシリコンのナノワイヤについては、相当の努力を払ったが、清浄な表面をもちかつ一様な太さのナノワイヤの作製はできなかった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Hashimoto,K.Takayanagi et al.: "Stability and tragmentation of multiply ionized Si clusters" Euro.Phys.J. D2. 75-78 (1998)
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[Publications] M.Okamoto,K.Takayanagi et al.: "Boron clusters in a complex defect in silicon" Mat.Res.Soc.Symp.Proc.510. 343-348 (1998)
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[Publications] H.Ohnishi,K.Takayanagi et al.: "UHV electron microscope and simultaneous STM observation of gold stepped surface" Surf.Sci.Lett.415. L1061-L1064 (1998)
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[Publications] T.Yokoyama,K.Takayanagi et al.: "Electron waves in the π surface band of the Si(001)surface" Phys.Rev.Lett.81. 3424-3426 (1998)
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[Publications] H.Ohnishi,K.Takayanagi et al.: "Quantized conductance through individual rows of suspended gold atoms" Nature. 395. 780-783 (1998)
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[Publications] K.Takayanagi,Y.Kondo et al.: "UHV-EM and simultaneous STM study of Nano-wires" in proc.of Electron microscopy. 701-702 (1998)