1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09304040
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
百瀬 孝昌 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (10200354)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若林 知成 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30273428)
志田 忠正 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60025484)
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Keywords | 固体水素 / 量子固体 / レーザー分光 / 赤外分光 / 高分解能分光 / 励起子 / 分子イオン / シュタルク分光 |
Research Abstract |
本研究では、回転量子数J=0のパラ水素だけからなる固体パラ水素では超高分解能分光が可能であることに着目し、パラ水素自身及びその中にドープした不純物、電荷などの基底・励起状態の分光スペクトルの微細構造、周波数変化、スペクトル線形などの解析を行うことにより、固体中の励起子の拡がりやバンド状態及び散乱過程に及ぼす量子性の影響を解明する事を通して、量子固体の本質を明らかにすることを目的としている。具体的な研究対象としては、1)固体パラ水素およびその中の不純物の振動・回転及び電子励起状態の励起子、および2)固体パラ水素にドープした余剰電荷、をとりあげ研究を行っている。本年度は主として以下のような成果を得た。1)励起子の緩和過程を明らかにするためには、線幅の温度依存性を観測することが重要である。そこで、新たに1K以下にまで結晶の温度を下げることのできる温度可変クライオスタットを設計・製作した。2)固体水素の第1高調波の超高分解能分光をおこない、線幅が1MHz程度で多数に分裂したスペクトルを観測した。その解析からこの分裂は励起子が固体内を飛び回ることによって生じているものであることが明らかとなり、励起状態間の相互作用を定量的に得ることができた。3)固体内に電荷を生成するために放射線照射によるイオンの生成を試み、赤外分光スペクトルの解析から実際に分子イオンが生成していることを確認した。また、シュタルク分光の手法によってイオン及びその近傍の水素分子の高感度・超高分解能分光ができることを明らかにした。
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[Publications] T.Momose: "Impurity Molecules in Parahydrogen Crystal: High Resolution Infrared Spectroscopy." Journal of Low Temperature Physics. 111・3. 469-474 (1998)
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[Publications] T.Momose et al.: "Tunneling chemical recations in solid parahydrogen: A case of CD_3+H_2→CD_3H+H at 5K." Journal of Chemical Physics. 108・17. 7334-7338 (1998)
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[Publications] Y.Zhang et al.: "High-resolution infrared spectroscopy of the J=1 H_2 pair in parahydrogen crystals" Physical Review B. 58・1. 218-232 (1998)
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[Publications] M.Fushitani et: "Photoinduced reactions on methyl radical in solid parahydrogen." Journal of Chemical Physics. 109・15. 6346-6350 (1998)
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[Publications] H.Hoshina et al.: "Infrared spectroscopic study of rovibrational states of perdeuterated methane(CD_4)trapped in parahydrogen crystal." Journal of Chemical Physics. 110・12. in press (1999)
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[Publications] T.Momose et: "Matrix-Isolation Spectroscopy Using Solid Parahydrogen as the Matrix: Application to High-resolution Spectrsocopy,Photochemistry,and Cryochemistry." Bulletin of the Chemical Society of Japan. 71・1. 1-15 (1998)