2000 Fiscal Year Annual Research Report
阿蘇山の火口直下に存在する圧力源の実体と噴火活動における役割の解明
Project/Area Number |
09304043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川勝 均 東京大学, 地震研究所, 教授 (60242153)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒井 智樹 秋田大学, 工学部, 助教授 (70240819)
金嶋 聰 東京工業大学, 理学部, 助教授 (80202018)
須藤 靖明 京都大学, 理学部, 助教授 (40025466)
大湊 隆雄 東京大学, 地震研究所, 助手 (70322039)
橋本 武志 京都大学, 理学部, 助手 (70283588)
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Keywords | 阿蘇火山 / 火山性微動 / 噴火 / 熱水活動 / 広帯域地震計 |
Research Abstract |
本研究では.基本周期15秒という特異ともいえる阿蘇火山の長周期微動源の実体解明を目指してきた. 今年度は,今までの定常観測を続けるとともに,(1)いままでにおこなった観測の解析の公表,(2)定常観測,および昨年度行った地震アレイ探査の解析・電磁気学的探査のデータ解析,(3)将来へ向けての重力探査の予備的観測,などを行った. 具体的には,(1)3編の英文論文(うち2編は国際誌)を公表した.(2)(定常観測)孤立微動のなかで短周期(HF-Part)と長周期(LF-Part)および超長周期の成分(LPT)を持つHybrid型の微動に注目して,その発生位置とメカニズムを考察した.(アレイ解析)卓越周波数2Hzの短周期微動は,火口の西2300m,深さ600m周辺に集中して発生していることが分かった.これは長周期微動の亀裂状振動源の上端に相当し,短周期微動が長周期微動の励起源であることを示唆する.また,卓越周波数10Hzの短周期微動の振動源はさらに浅い火口直下に求まり,亀裂状構造から地表の噴気への流体の流れが明らかになりつつある.(地磁気変化)中岳火口周辺における地磁気全磁力のモニタリングから,最近10年間の中岳火口直下数百mの蓄放熱過程について新たな知見を得た.その結果,最近5年間は,熱エネルギーの大部分が地下浅部で滞留せずに地表へ放出されているらしいことがわかった.(電磁気構造探査)98年,99年に実施した電磁気構造探査のデータを再解析し,その物理的,火山学的意味について考察した.表層から深部に向かって中一低一高比抵抗という成層が認められた.低比抵抗のピークは長周期振動源の深さとほぼ同じ1km付近にあり,中央火口丘基盤上面に広がる熱水変質層もしくは火山ガスを溶かし込んだ帯水層である可能性が高い. 以上をふまえて,全体を統合するモデルを現在構築中である.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yamamoto et al.: "ASOBOI97 : Aso Seismic Observation with BrOadband Instruments in 1997"Bulletin of Earthquake Research Institute. 74. 267-285 (1999)
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[Publications] Legrand,Kaneshima,Kawakatsu: "Moment tensor analysis of near field broadband waveforms observed at Aso volcano, Japan"J.Vol.Geothermal Res.. 101. 155-169 (2000)
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[Publications] Kawakatsu et al: "Aso-94 : Aso seismic observation with broadband instruments"J.Vol.Geothermal Res.. 101. 129-154 (2000)