1999 Fiscal Year Annual Research Report
高温ダイアモンドアンビルセルによる地球深部物質の相平衡と物性の研究
Project/Area Number |
09304053
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
WALTER Michael 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (20284094)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桂 智男 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (40260666)
神崎 正美 岡山大学, 固体地球研究センター, 助教授 (90234153)
伊藤 英司 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (00033259)
中村 栄三 岡山大学, 固体地球研究センター, 教授 (80201672)
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Keywords | レーザー内部加熱法 / ダイヤモンドアンビルセル / 温度制御システム / 親石元素のFe / 下部マントル条件 |
Research Abstract |
レーザー内部加熱法を用いたダイヤモンドアンビルセルが,現在固体地球研究センターにおいて稼動中である.このシステムでは1Mbaまでの圧力条件下で,レーザーによって加熱されたスポットを比較的小さな温度勾配(0.004k/mm以下)で4000K以上の温度で正確に求めることが可能である.温度安定性は正確な実験を行うために非常に重要であるが,今年度はレーザー出力を制御するため,試料の放射線による負のフィードバックを用いた温度制御システムを開発した.試料から放出された放射線は,光子フラックスをmV出力信号に変換するシリコンフォトダイオードによって捕捉される.この信号はコンピュータによってモニターされ,負フィードバック増幅回路への入力信号となる.0〜5Vの出力信号はレーザー出力コントロールとして用いられる(2n s以下での一定のランプパワーでレーザー出力を0〜100%調整).この信号は入力信号を一定にするために,回路によって常に補正されている(負フィードバック).制御に用いられるコンピュータプログラムは全ての信号をモニターする.このシステムにより,2000〜3000Kの範囲においては40K以下の精度で温度制御することが可能である.今年度は実際の実験に先立ち,温度制御の再現性・精度についての確認を行った.4種の異なる金属の融点を利用することにより,1気圧1800〜3700Kの範囲内では25K以下の精度で温度制御されていることが確かめられた.高圧条件下での実験はPt,Fe,Al等の高圧融解曲線を用いて圧力キャリブレーションを行うため,他の研究所での実験結果と直接比較することができる.現在は既に様々なプロジェクトが進行中である.例えば,(1)地球の核に相当する圧力条件下におけるFeやFe合金(FeNi,FeH,FeC,FeS)の融解実験,(2)親石元素(Si,K,HFSE,REE)の、Feに対する溶解度の測定、(3)下部マントル条件下での単純2相・3相系の相平衡図の作成,などがあげられる.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Walter,M.J.: "Mantle melting and melt extraction processes beneath oceanic ridges : evidence from abyssal peridotites"Journal of Petrology. 40. 1187-1193 (1999)
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[Publications] Walter,M.J.: "Mantle Petrology : Feild observations and high pressure experimentation"Geochemical Society,Special Publication No.6 (Fei et al.eds.). 15 (1999)
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[Publications] Walter,M.J.: "Origin of the Earth and Moon Volume"Lunar and Planetary Science Institute,Houston (Rister and Canup) (in press). (2000)