1998 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー光の放射圧によるナノメートル分子集合構造の形成:全く新しい方法論の確立
Project/Area Number |
09304067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増原 宏 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朝日 剛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20243165)
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Keywords | 単一微粒子 / ピコ秒顕微蛍光分光法 / 光圧 / 高分子微粒子 / ピレン / カルバゾール / アクリルアミド / レーザーマニピュレーション |
Research Abstract |
溶液中に可溶化、分散した高分子を光の放射圧で会合させ、単一微粒子の形状がどのように形成されていくか追跡するとともに、その動的過程と化学構造、濃度、熱、レーザー光強度等のパラメーターとの関係をピコ秒顕微蛍光分光法を駆使し検討した。加えて光形成された局所構造の知見を、高分子に蛍光性分子を化学結合でペンダントし、そのスペクトルシフト、寿命、エキシマー形成等を測定解析することにより求めた。カルバゾールやピレンとアクリルアミドスルホン酸誘導体の共重合高分子は、水溶液中で単一高分子でミセルを形成し会合しないので、光圧によりレーザーマニピュレーション可能なサイズを実験的に決めることができる。数種類の異なった化学構造をもつこの共重合体について、室温条件、水溶液中で有効な光圧を受ける最小サイズは15nmであることを証明した。また芳香族環が多く含まれている高分子ほど早く会合が起こり、分子の分極率が誘起される光圧の大小を判断するパラメーターであることを示した。また光圧により形成される分子集合構造は特殊であるので、光圧をかけたまま安定な固体としてとり出す、あるいは基板上 固定化する必要がある。これについては高分子基板に高分子微粒子を光熱的に固定化する方法を開発した。この固定化技術は現在は数μm微粒子を対象としているが、さらにnm高分子に適用していく足がかりを得た。このように他の作製法では実現できないナノメートル領域の分子の配向、会合、集合状態を形成する方法論として確立しつつある。
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[Publications] Jun-ichi Hotta,Keiji Sasaki,Hiroshi Masuhara,and Yotaro Morishima: "Laser-Controlled Assembling of Repulsive Unimolecular Micelles in Aqueous Solution" J.Phys.Chem.B. 102,40. 7687-7690 (1998)
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[Publications] T.Gensch,J.Hofkens,J.van Stam,H.Faes,S.Creutz,K.Tsuda,R.Jerome,H.Masuhara and F.C.De Schryver: "Transmission and Confocal Fluorescence Microscopy and Time-Resolved Fluorescence Spectroscopy Combined with a Laser Trap:Investigation of Optically Trapped Block Copolymer Micelles" J.Phys.Chem.B. 102,43. 8440-8451 (1998)
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[Publications] Trevor A.Smith,Jun-ichi Hotta,Keiji Sasaki,Hiroshi Masuhara,and Yoshihiro Itoh: "Photon Pressure-Induced Association of Nanometer-Sized Polymer Chains in Solution" J.Phys.Chem.B. (in press). (1999)