1998 Fiscal Year Annual Research Report
レーザ誘起衝撃波を用いた航空宇宙材料の衝撃破壊に関する研究
Project/Area Number |
09305009
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岸田 敬三 大阪大学, 工学研究科, 教授 (00029068)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山内 良昭 大阪大学, 工学研究科, 助手 (00252619)
田中 和夫 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (70171741)
中野 元博 大阪大学, 工学研究科, 助教授 (40164256)
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Keywords | レーザ / 衝撃波 / 航空宇宙材料 / 破壊 / スポール / 超高速カメラ / 状態方程式 |
Research Abstract |
先進航空宇宙用材料の超高速破壊のメカニズムを明らかにし、今後の航空宇宙機器用構造材料の開発に対して、耐衝撃性向上のための指針を示すことが本研究の目的である。そのため、高強度レーザを用いた極超短パルスの衝撃荷重下の材料挙動をフレーミング・カメラを用いて観察し、超高速破壊のモデルを構築して、その力学挙動をシミュレーションする手法の開発を行う。また、レーザの照射により加速した飛翔体をターゲット材料に衝突させ、衝撃波伝播過程の観測から先進材料の状態方程式を測定する。これらの実験結果から、先進航空宇宙用材料の高速破壊挙動を予測可能にする。 本年度は、高強度パルスレーザーの照射によりAI単層飛翔体を6〜9km/sまで加速し、CFRP積層材に衝突させる実験を行った。その際に起こるCFRPターゲットの変形及び破壊の様子を超高速フレーミングカメラにより撮影した。その結果、試験片裏面が300〜700m/sの速度で変形していることが観察された。また、試験後の衝突面には、飛翔体の直径に相当するクレーターが形成された。超高速カメラのフレーミング像からも、ターゲット表面からCFRPが吹き出している様子が観察された。一方、試験片裏面には繊維方向に沿った剥離を伴う大きな損傷が観察された。 次に、三次元衝撃解析ソフトDyna3Dを用いて、今回の超高速衝撃試験のシミュレーションを行った。二次元ミクロモデルによる弾塑性流体解析から、飛翔体の衝突により生じる衝撃波はすぐに減衰することがわかった。そこで、試験片裏面の変形の様子から試験片に加わる圧力を見積もり、三次元異方性弾性解析を行った。その結果、試験片裏面最外層では、繊維が破断してもおかしくないほどの応力が発生していることがわかった。
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