Research Abstract |
本研究の目的は,希薄気体力学の分野のみならず,より広く圧縮流の解析に用いられるような分子論的な手法,特にボルツマン方程式を基礎とする手法の開発と検証を目指している。ボルツマン方程式を基礎とする,分子モデル方程式,離散分子速度法,格子ボルツマン法による解析と,直接シミュレーション法ならびにナビエストークス解との比較により,それぞれの方法の適用の限界と利点を明らかにして,解析手法を確立することである。本年度については,4〜9月の間に3回のワークショップが開催され,1月にはシンポジウムが開催されて,研究討議がなされた。シンポジウムの発表論文を以下に列記する。( )内は著者を,下線は代表者・分担者を示す。 分子流モデルによる圧縮性乱流の解析(高山,菅野,桜井),渦の干渉のモンテカルロシミュレーション(曽我),半導体製造装置内におけるラジカル・分子・プラズマ流の分子モデル解析(南部),非平衡気体流れの多重スケール解析(松本),分子流モデルとしてのDVO法の評価(畠山,上原),平行流出する超音速噴流の干渉[DSMC計算と可視化実験](宇佐美,手島),低温蒸気中を伝播する入射衝撃波背後の低温壁面への非平衡凝縮現象(前野,野澤,黒岩,本間),超音速キャビティ流れの自励振動について(高倉,東野),ジェットインピンジメントのDSMC解析と既存実験データとの比較(百武,西田),2重円錐まわりの極超音速希薄流(五十嵐),衝撃波構造解析におけるハイブリッド解法の試み(渡辺,本間),定常放射流の問題(塚本,桜井,新井),清浄な白金表面におけるすべり係数(山本),衝撃波管内流れの二次元ナビエ・ストークス解析(渡辺,前野,本間),霧生成について(阿部,東野),格子ボルツマン法による非圧縮流の数値計算(里深,酒井,石倉)
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