1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノクリスタルドープ光導波路及び次世代フォトニックデバイスへの適用
Project/Area Number |
09305021
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
加藤 勇 早稲田大学, 理工学部, 教授 (80063775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宇高 勝之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (20277817)
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Keywords | アモルファスシリコン / Siナノクリスタル / プラズマエレクトロニクス / 二重同軸線路型MPCVD / 化合物半導体ナノクリスタル / 分子線セル / 光非線形 / 光増幅素子 |
Research Abstract |
これまで研究してきたArプラズマに加え、水素プラズマによる良質なa-Si:H膜の成膜を試みた。その結果、放電管軸方向に平行に1300Gauss以上の磁界をかけることで高密度で安定な水素プラズマが得られ、Arを用いた時に比べ堆積速度は遅いが、約6Å/sと十分実用的な堆積速度が得られることがわかった。これらの結果を元にSiナノクリスタルを含むa-Si:H膜を作製し、波長514.5nmのAr+レーザでフォトルミネッセンススペクトルを測定した。その結果、試料を酸化させることによって、800nm近辺を中心波長としたブロードな発光スペクトルが室温において観測できた。このときのSiナノクリスタルのサイズは4nm前後であることが分かった。さらに、アモルファスシリコン系多層薄膜や高品質Siナノクリスタルの生成が可能となるように、現有の二重管式同軸線路形MPCVD装置を、新たにコンピュータによりガス圧や、ガス流量、バルブ操作が精密に制御できるよう改造した。 化合物半導体系ナノクリスタルの粒径制御や均一化、さらに導波路への均質ドープ化を同時に達成する方法として、独自のナノクリスタル堆積装置を考案した。分子線セルの開口近傍でV族及びIII族元素の蒸気圧を精密に制御することによりナノクリスタル化を図るもので、約10nmクラスのサイズまでナノクリスタルの形成が可能であるように構造設計されてある。これまで、本方法の可能性を確認する種々の調査・検討を踏まえて基礎的なレベルの装置設計を行い、そして12月に装置導入にこぎ着けた。現在、装置の立ち上げを鋭意行うと共に、ナノクリスタル形成メカニズムについて、理論的な検討を進めているところである。他方、化合物半導体ナノクリスタルの高い光非線形特性を活かした光機能素子として、非対称非線形特性構造を有する非相反半導体光増幅素子を考案し、基礎的な解析を行った。その結果、利得差30dB程度の一方向増幅特性が期待されることが分かった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 加藤 勇: "縦磁界印加によるArプラズマの安定化" 電子情報通信学会論文誌. 11. 378-383 (1997)
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[Publications] 加藤 勇: "a-Si:H膜成長中のイオン衝撃効果" 第15回「プラズマプロセシング研究会」プロシ-ディングス. 15. 84-87 (1998)
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[Publications] 加藤 勇: "2重管式同軸線路型MPCVDを用いて作製したSi系発光材料" 第15回「プラズマプロセシング研究会」プロシ-ディングス. 15. 140-143 (1998)
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[Publications] 加藤 勇: "縦磁界印加MPCVDによるH_2/SiH_4プラズマを用いたa-Si:H膜の作製" 第15回「プラズマプロセシング研究会」プロシ-ディングス. 15. 406-409 (1998)