1999 Fiscal Year Annual Research Report
高圧ガス存在下におけるポリマー溶液系の相挙動及び粘性特性
Project/Area Number |
09305053
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
舛岡 弘勝 広島大学, 工学部, 教授 (50034385)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 善之 広島大学, 工学部, 助手 (50243598)
滝島 繁樹 広島大学, 工学部, 助教授 (10188120)
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Keywords | ガス溶解度 / 拡散係数 / ポリマー / 二酸化炭素 |
Research Abstract |
ポリマー中の高圧ガスの溶解度および拡散係数は、ポリマーの合成や成形加工などの工業生産プロセスの開発,運転管理,あるいは新素材の開発に必要不可欠な物性値である。近年,高温高圧を要する高度技術の研究開発および実用化が加速するのに伴い、開発基礎データとしての高温高圧下におけるポリマー中のガス溶解度および拡散係数のニーズは急速に高まっている。以上の背景に鑑み本研究では、従来報告例のないblock copolymerの溶解度,拡散係数の測定を行い、コモノマー組織の影響を検討した。 ガスには環境適合型発砲剤として期待されている二酸化炭素を、ポリマーにはpolyisoprene,styrene-isoprene-styrene block copolymer(styrene16wt%,30wt%の2組成)を使用した。またpolystyreneの溶解度,拡散係数には前年度測定した値を利用した。以上の測定値から、copolymerに関しては系を構成する各純物質の溶解度の加成性が成立することが明らかになったが、拡散係数に関しては加成性が成立しなかった。拡散係数はコポリマー化によるガラス転移温度や、粘度の影響が複雑に関係しているものと思われ、今後の課題である。溶解度に関してはSanchez-Lacombe状態式に温度依存性相互作用パラメータを導入することにより良好に相関可能であった。また、相互作用パラメータの温度依存性はほぼ直線的であることがわかった。拡散係数についてはSternらの自由体積理論により相関を行ったところ、相対平均差11%の良好な推算が可能であった。
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[Publications] Y.Sato: "Solubilities and Diffusion Coefficients of Carbon Dioxide and Nitrogen in Polypropylene,High-density Polyethylene,and Polystyrene under High Pressures and Temperatures"Fluid Phase Equilibria. 162. 261-276 (1999)
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[Publications] Y.Sato: "Solubility of Fluorocarbon(HFC-134a,HFC-152a)and Chlorofluorocarbon (HCFC-142b)BlowingAgents in Polystyrene"Polymer Engineering & Science. (in press).
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[Publications] Y.Sato: "Solubilities and Diffusion Coefficients of Carbon Dioxide in Biodegradable Polymers"5th International Symposium on Supercritical Fluids. (in press).