2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09305064
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
前野 一夫 千葉大学, 工学部, 助教授 (30133606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 敏博 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (20302581)
本間 弘樹 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90009233)
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Keywords | 衝撃波 / 自由ピストン衝撃波管 / 非平衡放射 / 極超音速流 / 高速紫外分光 / 実在気体力学 / 地球大気圏再突入 / 高温空気 |
Research Abstract |
本研究において、地球大気圏再突入飛行体周りに発生する強い衝撃波背後の非平後流れを解明するため、自由ピストン2段膜衝撃波管を用いて低密度空気中に衝撃波速度10km/sから12km/sの衝撃波を生成し、時間分解画像分光観測システムによる発光観測を行った。本年度は、これまでの研究経過を踏まえて、高純度試験気体を用いた観測を行った。研究結果および実績をまとめると以下のようになる。 1)昨年度までの衝撃波管低圧部の改良が完了し、本年度は試験気体の高純度化と実験効率の向上を目指し、高性能真空排気装置を購入した。その結果、試験気体に含まれる不純物(炭素系不純物、水分子)の割合をこれまでの10分の1程度まで減少させることができ、試験気体の高純度化が達成された。また、実験効率も格段に向上した。 2)試験気体による相違を調査する目的で、異なる試験気体(雰囲気空気、乾燥空気、純窒素)を用いて、全放射発光と空間分解発光スペクトルの同時観測を行った。これまで主に衝撃波波面直後の非平衡発光について観測を行ってきたが、本年度はその背後の平衡領域での発光に着目した。その結果、不純物の含有率が減少したにもかかわらず、雰囲気空気と乾燥空気の間で大きな違いは見られなかった。しかしながら、純窒素による結果は、他の気体の場合に比べて明らかに発光強度が減少し、空気中に含まれる窒素以外の成分からの発光が、平衡領域での発光に強く関与していることが確認された。 本年度の研究によって、空気中の窒素以外の成分からの発光の寄与が明らかになったが、分光観測による発光スペクトルには試験気体の影響は見られなかった。これは、波長範囲が紫外から近紫外という狭い範囲に限られているためであり、より広範囲での分光観測が必要であると考えられる。
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[Publications] T.Morioka,N.Sakurai,K.Maeno,and H.Honma: "Observation of Nonequilibrium Radiation behind Strong Shock Waves in Low-Density Air"Journal of Visualization. Vol.3,No.1. 51-61 (2000)
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[Publications] T.Morioka,F.Sato,K.Maeno,and H.Honma: "High-speed photography and imaging spectroscopy for radiation behind strong shock waves in air"Proceedings of the 24^<th> International Congress on High Speed Photography and Photonics (in print). 1-7