1999 Fiscal Year Annual Research Report
高度環境計測システムを用いたエコロジカル・ネトワークの把握と新たな自然環境保全戦略の構築
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09306023
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90112474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
片山 敦司 株式会社 野生動物保護管理事務所, 研究員
石田 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 講師 (90192484)
池口 仁 山梨県環境科学研究所, 研究員
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Keywords | ツキノワグマ / コリドー / エコロジカルネットワーク / ラジオテレトリ調査 / GIS / 衛星追跡 / サシバ / 環境利用 |
Research Abstract |
1)1999年春に、越冬地である石垣島でサシバの生息・分布調査を実施し、同時に同地からサシバ6個体の衛星追跡を行なった。衛星追跡の結果、渡りは島を中継地として利用し、休息と移動を繰り返す様式であることがわかった。採食やねぐらには、森林よりも農耕地を利用することが多かった。繁殖地や渡りの中継地とは違って越冬地でまとまった林を必要としないのは、越冬地では営巣木のある林が必要なく、また捕食者などの危険が少ないので避難場所としての林が重要ではないためではないかと考えられた。 2)前年度に引き続き、我々が開発した指数CONを用いて日本列島における森林連続性の評価を行った。日本列島を9地方に区分し、それぞれの森林グレッド率と指数CONを比較した結果、各地方における森林の空間的な分布特徴が明らかになった。とくに中国地方における森林分断化が示唆された。また指数CONと自然地理的要因のオーバーレイを行った結果、森林連続性は地形的要因の影響を強く受け、とくに山地を中心として、開発圧の低いところに連続的に分布していることが示された。 3)兵庫県・氷ノ山地域生息するニホンツキノワグマを対象として、ラジオ・テレメトリ調査を行い、その生息位置を把握した。すなわち1998年および1999年の2年間、それぞれオス1頭、メス1頭に発信器を装着し、1ヶ月に連続72時間の追跡調査を行った。さらにGISを用いた解析によりその行動圏と生息環境を解析した。その結果、ツキノワグマの季節ごとの生息地、行動パターン、生息地における植物群落、移動距離、行動圏等が明らかにされた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 武内和彦、中尾理恵子: "都市における生態系ネットワークの保全"科学. 69. 729-734 (1999)
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[Publications] 原科幸爾、恒川篤史、武内和彦: "日本列島における森林連続性の地域的差異"農村計画論文集. 1. 337-342 (1999)
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[Publications] 東 淳樹、時田賢一、武内和彦、恒川篤史: "千葉県手賀沼流域におけるサシバの生息地の土地環境条件"農村計画論文集. 1. 253-258 (1999)
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[Publications] 樋口、森下、東、時田、内田、恒川、武内: "サシバ(Butastur indicus)の渡り衛星追跡および越冬地における環境選択"我孫子市鳥の博物館調査研究報告. 7. (2000)
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[Publications] 高橋 裕・武内和彦編: "地球システムを支える21世紀型科学技術"岩波書店. 261 (1998)