2000 Fiscal Year Annual Research Report
高度環境計測システムを用いたエコロジカル・ネットワークの把握と新たな自然環境保全戦略の構築
Project/Area Number |
09306023
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF TOKYO |
Principal Investigator |
武内 和彦 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90112474)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
恒川 篤史 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (60227452)
高槻 成紀 東京大学, 総合研究博物館, 助教授 (00124595)
樋口 広芳 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (10111486)
片山 敦司 (株)野生動物保護管理事務所, 研究員
石田 健 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (90192484)
池口 仁 山梨県環境科学研究所, 研究員
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Keywords | ツキノワグマ / コリドー / エコロジカルネットワーク / GPS / GIS / 衛星追跡 / サシバ / ニホンジカ |
Research Abstract |
1)2000年3月10日に金華山島において、当地に生息するニホンジカ雌1頭(トモコと命名)を捕獲し、外部計測後、捕獲地の約2km南に移動してGPS首輪を装着し、放逐した。GPS首輪は、ドロップオフ装置が不調であったため、4月24日に麻酔銃でトモコを再捕獲して回収した。この間に記録されたデータは、ホストコンピュータにダウンロードされ、270回の測定のうち、181点の位置が推定され、そのデータ取得率は67%であった。GISを用いて、得られた位置データとデジタル植生図を重ね合わせることにより、トモコの利用した植生を知ることができた。野生動物に装着されたGPS首輪データの回収は、おそらく日本で初の事例であり、また世界的に見ても小型シカ類に装着した事例はほどんどない。 2)2000年7月16日に埼玉県にある東京大学秩父演習林内で、当地に生息するツキノワグマ雄を捕獲し、外部計測後、GPSを装着して放逐した。10月25日に発信器を回収した。活動センサの値がゼロになった7月23日にGPS首輪は脱落したと推定された。この間の測位回数は、1時間間隔で174回であった。そのうち測位が成功したのは91回で、データ取得率は52%であった。 3)2000年7月25日に兵庫県氷ノ山において、当地に生息するツキノワグマ雄を捕獲し、外部計測後、GPSを装着して放逐した。GPS首輪の発信音の変化(モータリティの作動)が8月8日に確認されて以来、波源に移動がなく発信器が脱落したと考えられたが、8月26日に発信器を回収した。回収された緯度経度データから8月2日か3日頃にGPS首輪は脱落したと推定された。この間の測位回数は、4時間間隔で49回であった。そのうち測位が成功したのは29回で、データ取得率は59%であった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 武内和彦: "国土計画と自然環境"公園緑地. 61・5. 27-31 (2001)
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[Publications] 鈴木健次郎,恒川篤史,高槻成紀,東英生: "野生動物の生態研究におけるGPSの利用可能性-金華山島のニホンジカ(Cervus nippon)を事例として-"GIS-理論と応用. 8・2. 69-75 (2000)
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[Publications] 恒川篤史: "衛星リモートセンシングによる植生モニタリング(東京大学大学院農学生命科学研究科 編著「農学・21世紀への挑戦」)"世界文化社. 223 (2000)