1997 Fiscal Year Annual Research Report
赤血球造血因子(エリスロポエチン)の新しい生理作用に関する応用細胞生物学的研究
Project/Area Number |
09306025
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 隆造 京都大学, 農学研究科, 教授 (60077378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 佳子 近畿大学, 医学部, 助教授 (10025629)
増田 誠司 京都大学, 農学研究科, 助手 (20260614)
永尾 雅哉 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10237498)
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Keywords | エリスロポエチン / 中枢神経系 / 神経細胞 / 虚血性神経細胞因子 / 子宮 / 血管形成 / エストロゲン |
Research Abstract |
エリスロポエチン(EPO)は赤血球形成を促進する糖蛋白質である。これまで、EPOの生産部位は、腎臓及び肝臓であり、EPOの生理作用は赤血球に限定されていると考えられて来た。しかし、我々はEPOが中枢神経系アストロサイトにより生産されており、虚血による神経細胞死を防止することを証明した。更にこの神経細胞死抑制機構を研究し、EPOはグルタミン酸の細胞毒性を解除すること、グルタミン酸の毒性の原因であるNO過剰生産による細胞死を抑制することを明らかにした。EPOの可溶型受容体(EPOと結合可能)を中枢神経系にのみ発現するトランスジェニックラットの作成に成功した。このラットを低酸素状態におくと、EPOが可溶型受容体により捕捉され、神経細胞が死滅し、学習・記憶能力の低下が観察されることを期待して研究を進行させている。 性周期に応じて、子宮内膜層は退縮と肥厚を繰り返し、この肥厚は卵巣で合成されるエストロゲンの支配下にある。我々は、子宮内にEPO生産部位があり、EPO生産はエストロゲンにより誘導されることを発見した。さらに、子宮内のEPOは子宮内膜層の肥厚に伴う血管新生に重要であることを証明した。子宮におけるEPO生産細胞を同定するために、子宮組織をコラゲナーゼで処理し、更に10μmのメッシュを通すことにより均一な細胞懸濁液を調製した。この細胞浮遊液はEPOを生産し、EPOの生産はエストロゲンにより誘導された。腎臓、肝臓、アストロサイトのEPOの生産は低酸素により著しく誘導されるが、子宮内のEPO生合成は低酸素によりほとんど誘導されず、子宮組織におけるEPO生合成は特異な機構により調節されている。
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Research Products
(1 results)