1998 Fiscal Year Annual Research Report
樹状細胞を用いた選択的免疫応答の制御と免疫療法への応用
Project/Area Number |
09307011
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
池田 康夫 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (00110883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑名 正隆 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (50245479)
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Keywords | 樹状細胞 / 自己免疫疾患 / 主要組織適応抗原 / 免疫療法 / 抗リン脂質抗体症候群 / 自己免疫性血小板減少症 |
Research Abstract |
樹状細胞(DC)を用いた癌特異免疫の誘導は最近多くの研究施設で試みられているため、平成10年度は他施設で行われてないDCを用いた自己免疫応答の抑制に注目した。自己免疫疾患として免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)と抗リン脂質抗体症候群(APS)における病因的T細胞を解析し、さらに自己反応性T細胞のanergyの誘導についてのin vitroでの基礎的実験を行った。 ITPでは抗血小板抗体の主要な抗原である血小板膜蛋白GPIIb-IIIaと反応するT細胞、APSでは抗リン脂質抗体の対応抗原であるβ2グリコプロテインIと反応するT細胞を検出するin vitroの系を確立した。現在、これら抗原特異的T細胞クローン株の樹立とT細胞エピトープの同定を行っている。 強皮症患者から樹立したトポイソメラーゼI(トポI)を認識する自己反応性T細胞クローン株を用いてDCの免疫調節機能を調べた。トポI反応性T細胞クローンをT細胞エピトープを含むペプチドとともに各種抗原提示細胞と培養し、自己反応性T細胞のanergyの誘導を検討した。抗原提示細胞として自己末梢血より分離したDC、単球、B細胞、GM-CSFとIL-4で活性化させたDCを用いた。その結果、HLA分子を発現するがcostimulatory分子(CD80など)を欠如する末梢血DCは抗原存在下で抗原特異的なanergyを誘導することを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 桑名正隆、池田康夫: "自己免疫疾患の概念と知見:特発性血小板減少性紫斑病" 最新医学. 53・6. 1592-1600 (1998)
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[Publications] 桑名正隆、池田康夫: "血液、造血器腫瘍の薬物治療:特発性血小板減少性紫斑病" 医学と薬学. 40・3. 436-441 (1998)
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[Publications] 桑名正隆、池田康夫: "特発性血小板減少性紫斑病の治療指針" 日常診療と血液. 8・12. 1514-1522 (1998)
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[Publications] Kuwana M,Ikeda Y,et al.: "Autoreactive T cells to platelet GPIIb-IIIa in immune thrombocytopenic purpura: role in production of anti-platelet autoantibody" J Clin Invest. 102・7. 1393-1402 (1998)
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[Publications] Kaburaki J,Ikeda Y,et al.: "Anti-cardiolipin-β2-GPI complex antibodies in idiopathic thrombocytopenic purpura" Intern Med. 37・9. 796 (1998)
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[Publications] 桑名正隆、池田康夫: "エビデンスに基づく血液難病の治療:特発性血小板減少性紫斑病" 血液フロンティア. 9・1. 51-57 (1999)