1997 Fiscal Year Annual Research Report
心不全に対するEx Vivo遺伝子導入を行った心筋細胞移植の研究
Project/Area Number |
09307029
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
北村 惣一郎 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (10028607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水口 一三 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (80201789)
谷口 繁樹 奈良県立医科大学, 医学部, 助教授 (90183467)
高木 都 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00033358)
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Keywords | 心臓移植 / 細胞移植 / 遺伝子導入 / gene gun / 交叉灌流 / 心力学 / 心エネルギー学 / ラット |
Research Abstract |
平成9年度には本助成により、われわれは次の4つの内容に関し研究を行った。(1)ラット心臓移植におけるEx Vivo遺伝子導入:ラットの摘出心に対し4°C、60分という条件下でアデノウイルスをベクターとしてEx Vivo遺伝子導入を行い同系ラットに移植した。その結果、安全にかつ効率よく導入できることを示した。(2)遺伝子銃法によるIn Vivo遺伝子導入:non-vira1な遺伝子導入法として遺伝子銃法があるが、本法で心臓へのIn Vivo遺伝子導入を行った報告は未だない。そこで、ラットの心臓に対し本法にて遺伝子導入を行った。その結果、導入が可能であっただけでなく1ヶ月後でも発現が持続していた。現在さらに長期の発現を検討中である。(3)心筋細胞移植を可能にするための心筋細胞への分化に関する研究:現時点で、心筋細胞移植のドナーとなる細胞は胎仔から採取しなければならず、臨床への応用には問題がある。しかし最近、骨髄間質細胞から心筋細胞に酷似した細胞へ分化することが発表され、その細胞をドナー細胞に利用する研究を行っている。現在その分化の至適条件を検討中である。(4)ラット心機能評価に関する研究:正常成熟ラット心臓での心筋細胞移植前後の心機能の評価と心不全モデルラットの心筋細胞移植前後の心機能を評価するために、まずラット交叉灌流モデルを確立し、心力学的、エネルギー学的基礎データを採ることが本年度の研究目標であった。交叉灌流モデルは1匹のサポートラットにより、摘出心臓の血液灌流を行うもので、この摘出心臓の左心室の収縮期末圧容積関係と一心拍毎の心筋酸素消費量と一心拍毎に発生する総機械ネルギーの関係を求めた。其の結果、正常心臓では前者は指数関数でよくフィットできる非線形の関係を示し、後者は直線関係を示した。その勾配とY-切片から、さらに一心拍毎に発生する総機械エネルギーにより、心機能の評価ができることを示した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Satosi Goji: "Gene transfer into the donor heart during cold preservation for heart transplantation." Ann.Thorac.Surg.65(in press). (1998)
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[Publications] Miyako Takaki: "Sarcoplasmic reticulum Ca^<2+> pump blockade decrease O_2 use of unloaded contracting rat heart slices:thapsigragin and cyclopiazonic acid." J.Molecular Cell Cardiol.30(in press). (1998)
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[Publications] Takeshi Mikane: "Mechanism of constant contractile efficiency under cooling inotropy of myocardium stimulation." Am.J.physiol.(Heart Circ.Physiol). 273. H2891-H2898 (1997)
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[Publications] Yoshiki Hata: "Ryanodine decreases internal Ca^<2+> recirculation of the canine heart as studied by postextrasystric transient alternans." Jpn.J.Physiol.47(6). 521-530 (1997)
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[Publications] Miyako Takaki: "Mechanoenergetics of rat left ventricles in in situ and the excised blood-perfused hearts and of unloaded rat left ventricular slices." Heart and Vessels suppl.12. 100-102 (1997)
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[Publications] HideoTachibana: "New mechanoenergic evaluation of left ventricular contractility in in situ rat hearts." Am.J.Physiol.(Heart Circ.Physiol.). 272. H2671-H2678 (1997)
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[Publications] Miyako Takaki: "Mechanism of work production and work absorption" Plenum Publishing Corporation(in press), (1998)