1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09307043
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 宏 大阪大学, 歯学部, 教授 (40038865)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐保 輝之 大阪大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10263295)
野崎 剛徳 大阪大学, 歯学部, 助手 (30263304)
北村 正博 大阪大学, 歯学部, 講師 (10243247)
村上 伸也 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70239490)
島内 英俊 大阪大学, 歯学部・附属病院, 講師 (70187425)
|
Keywords | 歯周病 / 分子生物学的診断 / サイトカイン / RT-PCR / 歯周病原性細菌 / 血清抗体価 / T細胞 / 歯肉上皮細胞 |
Research Abstract |
歯周病の分子生物学的病態診断法の確立のために平成10年度は以下の研究を実施した。 平成9年度より開始した臨床的試料の採取ならびに分析を継続して実施している。すなわち、歯周病患者の全身的免疫応答を検討する目的で、大阪大学歯学部附属病院歯周病室を受診した成人性歯周炎患者ならびに若年性歯周炎患者を対象として、インフォームドコンセントを得た後、初診時ならびに歯周基本治療終了時に歯肉縁下プラーク検体ならびに末梢静脈血の採取を行い、主たる歯周病原性細菌とされているP.gingivalis(P.g.)の検出ならびに血清中の抗P.g.IgG抗体価の測定を継続するとともに、患者末梢血より単核球を分離しpgの超音波破砕菌体成分に対する増殖応答を検討している。また、歯周病巣局所における炎症反応を検討する目的で、大阪大学歯学部附属病院歯周病室を受診した成人性歯周炎患者ならびに若年性歯周炎患者を対象として、初診時に臨床的に肉眼的炎症所見の著明な部位ならびに炎症所見の認められない部位をそれぞれ被験部位として選択し微量歯肉組織穿刺生検法を用いた検体の採取を継続している。一方、in vitroにおける歯周組織構成細胞の機能解析を目的として、ヒト歯肉上皮細胞の単離、ならびに長期継代培養可能な細胞株の樹立を行った。さらにこれらの上皮細胞株を用いて歯肉上皮細胞の歯周病巣局所における炎症反応への関わりを検討する実験系を確立した。すなわち歯周病原性細菌の刺激に対するヒト歯肉上皮細胞の応答性を、各種サイトカインのmessengerRNA(mRNA)発現、培養上清中ヘの産生、またその生物学的活性を測定することにより検討する系を確立した。次年度は上記の各検討事項の研究を終了し、歯周病の分子生物学的病態診断法の確立に向けた総合的解析を行う予定としている。
|