1997 Fiscal Year Annual Research Report
太陽紫外線の脅威を軽減させる光回復酵素の特性解析とその分子進化論的考察
Project/Area Number |
09308020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 孝司 京都大学, 医学研究科, 助教授 (80182301)
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (90163948)
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Keywords | 太陽紫外線 / 皮膚がん / DNA損傷の修復 / ピリミジンダイマー / (6-4)光産物 / 光回復酵素 / ヒトホモログ遺伝子 / 分子進化 |
Research Abstract |
1.異なる生物種からの(6-4)光回復酵素遺伝子の単離 我々が単離したショウジョウバエの遺伝子をプローブとして用いることで、アフリカツメガエル及びキンギョから(6-4)光回復酵素遺伝子を単離することに成功した。 2.(6-4)光回復酵素の生化学的特性の解析 高度(純度98%)に精製したツメガエルの酵素を用いて、種々の生化学的特性を解析した。まず、この酵素は2種類の光受容体を持ち、その一つはフランビンアデニン・ジヌクレオチド(FAD)であることを明らかにした。2本鎖DNA中の(6-4)光産物に対する酵素の結合定数は大きく、ピリミジンダイマー光回復酵素の結合定数とほぼ同じであった。しかし、結合した酵素の解離定数はそれ程大きなものでなかった。また、酵素の吸収スペクトルと光回復能の作用スペクトルとの比較から、還元型のFADH-を持つ酵素が(6-4)光産物の修復を担っていることが判明した。 3.(6-4)光回復酵素のヒトホモログの解析 我々は、ショウジョウバエの光回復酵素のヒトホモログ遺伝子(H64PRH)を単離した。この遺伝子はヒト12番染色体の長腕(12q24.1)に位置することが分った。ノザンブロットでヒトの各種臓器のおける発現を解析したところ、調べた範囲の全ての臓器で発現が認められ、特に腎臓、精巣、骨格筋などで強く発現していた。このことは、この遺伝子の産物が何らかの生理機能を持つことを意味している。しかし、H64PRH遺伝子を光回復能欠損の大腸菌に導入して発現させても、(6-4)光産物の光回復能を示さなかった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Takeshi Todo: "Characterization of a human homolog of (6-4)photolyase." Mutation Research. 384(2). 195-204 (1997)
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[Publications] Nobuhiro Uchida: "Photoreactivation enzyme for(6-4)photoproducts in cultured goldfish cells." Photochemistry and Photobiology. 65(6). 964-968 (1997)
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[Publications] Kenichi Hitomi: "Binding and catalytic properties of Xenopus (6-4)photolyase." Journal of Biological Chemistry. 272(51). 32591-32598 (1997)
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[Publications] Takashi Yagi: "A low content of ERCC1 and a 120 kDa protein is a frequent feature of group Fxeroderma pigmentosum flbroblast cells." Carcinogenesis. 12(1). 41-44 (1997)
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[Publications] Zhen-Bo Han: "Assignment of three Chinese xeroderma pigmentosum patients to complementation group C and one to group E." British J.Dermatology. 138(1). 131-136 (1998)
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[Publications] Akemi Nakagawa: "Three-dimensional visualization of ultraviolet-induced DNA damage and its repair in human cell nuclei." Journal of Investigative Dermatology. 110(2). 143-148 (1998)
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[Publications] 池永満生・野村大成・森本兼曩(編): "環境と健康II" へるす出版, 310 (1998)