1999 Fiscal Year Annual Research Report
太陽紫外線の脅威を軽減させる光回復酵素の特性解析とその分子進化論的考察
Project/Area Number |
09308020
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
池永 満生 京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (70025378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木 孝司 京都大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (80182301)
加藤 友久 京都大学, 放射線生物研究センター, 助手 (50301247)
藤堂 剛 京都大学, 放射線生物研究センター, 助教授 (90163948)
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Keywords | 太陽紫外線 / 皮膚がん / ピリミジンダイマー / (6-4)光産物 / 光回復酵素 / ヒトホモログ遺伝子 / 分子進化 / 概日リズム |
Research Abstract |
1.他生物種の光回復酵素遺伝子のヒト細胞における発現 DNA除去修復能を欠損している色素性乾皮症(XP)患者由来の細胞に、オポッサムのピリミジンダイマー(CPD)光回復酵素遺伝子を発現させた。この細胞では、紫外線の致死作用の顕著な光回復が認められた。また、紫外線を照射したシャトルベクタープラスミドを感染させた細胞を可視光で照明すると、SupF遺伝子の突然変異頻度が約1/4に低下すると共に、紫外線に特徴的な2塩基同時置換突然変異が大幅に減少した。 2.CPDと(6-4)光産物の突然変異誘発効率の比較 紫外線を照射したプラスミドを、インビトロで2種類の光回復酵素で処理した後にXP細胞中で増殖させ、生じた突然変異を解析した。光回復酵素でプラスミドからCPDまたは(6-4)光産物だけを取り除くと、突然変異頻度が紫外線照射だけの約1/10または1/2.5に減少した。このことから、紫外線誘発突然変異の主要な原因はCPDであること、1個の損傷当たりの変異誘発効率はほぼ同じであることが明らかになった。 3.光回復酵素ホモログと概日リズム ショウジョウバエの光回復酵素ホモログ遺伝子(dcry)を過剰に発現させたハエでは、光依存的な行動の概日リズムの制御に異常が認められた。このことは、CRY蛋白がリズムの光受容体として機能していることを意味する。一方、マウスからは2種類のホモログ、mcry1とmcry2を単離した。興味深いことに、両遺伝子のダブルノックアウトマウスは、恒暗条件下では完全に行動の概日リズムを失っていた。このことは、マウスのホモログ蛋白は体内時計の本体として機能していることを示唆する。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takeshi Todo: "Functional diversity of the DNA photolyase/blue light receptor family"Mutation Research. 434. 89-97 (1999)
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[Publications] Tomoko Ishikawa: "DCRY is a Drosophila photoreceptor protein implicated in light entrainment of circadian rhythm"Genes to Cells. 4. 57-65 (1999)
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[Publications] Marth H.Vitaterna: "Differential regulation of mammalian Period genes and circadian rhythmicity by cryptochromes 1 and 2"Proceedings of National Academy of Sciences, USA. 96. 12114-12119 (1999)
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[Publications] Tomoo Ogi: "Mutation enhancement by DINBI, a mammalian homologue of the Escherichia coli mutagenesis protein DinB."Genes to Cells. 4. 607-618 (1999)
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[Publications] Hiroshi Asahina: "Expression of a mammalian DNA photolyase confers light-dependent repair activity and reduces mutations of UV-irradiated shuttle vectors in xeroderma pifmentosum cells"Mutation Research. 435. 255-262 (1999)
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[Publications] Eriko Otoshi: "Respective role of cyclobutane pyrimidine dimers, (6-4) photoproducts, and minor photoproducts in ultraviolet mutagenesis of repair-deficient xeroderma pigmentosum A cells"Cancer Research. 60(印刷中). (2000)