1998 Fiscal Year Annual Research Report
分子複合体のX線解析による蛋白質の分子認識機構の研究
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09308025
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
箱嶋 敏雄 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (00164773)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 敏之 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (30273858)
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Keywords | 構造生物学 / 蛋白質 / DNA / 分子認識 / 複合体 / 結晶 |
Research Abstract |
本年度は主に、マウス由来の転写因子IRF-2のDNA結合ドメインとDNAオリゴマーとの複合体結晶と低分子量Gタンパク質RhoAとその標的タンパク質キナーゼPKNの結合ドメインとの複合体結晶の構造決定を行った。また、分岐したDNAに特異的なヌクレアーゼヒトFEN-1の大量調整と結晶化を試みた。 IRF-2/DNAの複合体は、既に重原子誘導体結晶を得ており、また、米国Mount Sinai医学校のAneelK.A ggarwalより供与されたIRF-1/DNA構造があるので、MIR-MRより位相決定し、構造を精密化する。予備的解析では、IRF-2は繰り返し配列にタンデムに結合しており、IRF-1/DNA構造とは種々の点で異なることがわかった。この研究はEMBOJに投稿中である。 RhoA/PKN複合体では、すでに我々が構造決定した活性型のRhoAの構造をもとに、分子置換法で構造決定した。PKNのRhoA結合ドメインは、反平行の2本のαヘリックスがcoiled-coil状に束になった構造をしており、我々はこの構造をACC-フィンガーと名付けた。ACC-フィンガーはRhoAのSwitch I、βストランドB2とB3、ならびにαヘリックスA5と主に水素結合により、認識されていた。また、結晶中では、もう一方のACC-フィンガーがSwitch II領域に結合していることも分かった。これはPKNが2つのドメインでと結合するという生化学的実験データと良く符合した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] M.Kato: "Crystallization and Preliminary X-ray Analysis..." Acta Cryst.D^-. D54. 140-142 (1998)
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[Publications] K.Ihara: "Crystal Structure of human RhoA..." J.Biol.Chem.273. 9656-9666 (1998)
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[Publications] M.Kusumoto: "Crystallographic characterization of the DNA-binding..." J.Struct.Biol.121. 363-366 (1998)
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[Publications] Y.Fujii: "Crystallographic characterization of Pap1-DNA..." Acta Cryst.D54. 1014-1016 (1998)
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[Publications] A.Ueno: "Crystal Structure of sulochrin derivatines" Chem.Pharm.Bull.46. 1929-1931 (1998)
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[Publications] Y.Sugimoto: "Dechloroacutumine, a possible biosynthetic..." Phytochemistry. 49. 1293-1297 (1998)
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[Publications] 箱嶋敏雄: "遺伝子産物(タンパク質)の形を観る" クバプロ, 60 (1998)