1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09354001
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
三村 昌泰 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (50068128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂元 国望 広島大学, 理学部, 助教授 (40243547)
石村 直之 一橋大学, 経済学部, 助教授 (80212934)
恩田 智彦 花王(株), 情報科学研究所, 主任研究員
石川 正道 三菱総合研究所, 融合科学部(研究職), 部長
山田 道夫 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 教授 (90166736)
|
Keywords | 特異極限法 / 樹枝状成長 / 発熱反応 / 界面ダイナミクス / 非平衡開放系 |
Research Abstract |
本年度の研究は次の3つのテーマにわかれて行った。(1)化学反応系に現われる内部遷移層のダイナミクスの解析のために、特異極限解析によって界面の動きに関する自由境界問題煮木着することに成功した。その一例として、ある反応過程は凝固問題でよく知られているいるステファン問題に帰着されることが示され、特異極限解析から、生物学と工学に現われる自由境界問題に関して新しい展望が開かれた。(2)非平衡開放系の最も単純なシステムとして2次元発熱反応系を取り上げ、そこに現われる燃焼パターンの多様性を計算機シミュレーションとその動画化寄り考察した。その結果、Lewis数が大きいときには、自己複製による生成と過剰集合による消滅を繰り返す複雑な時間空間パターンが出現することが示された。この結果は非平衡化学反応系に現われる自己複製パターンと密接な関係があることが、特異摂動解析から明らかになった。(3)過冷却凝固に現われる樹枝状成長と非常に類似性を持つバクテリアのコロニー形成においてそのコロニーパターンの多様性の考察のために、凝固および燃焼過程のモデリングの経験から、実験者との共同研究によって数理モデルを導出した。その数理解析からコロニーパターンの多様性の基本的な要因は環境条件の変化による相転移現象であることが示された。このほかにも、分担者によって、フラクタル表面の濡れ現象、コロイド結晶成長等応用的視点から、界面の高次元解析等理論的視点からの研究が進められた。
|
-
[Publications] M.Mimura: "Singular pecturbation problems to a combustion equation in very long cylindnial domains" Studies in Advanced Math.3. 75-84 (1997)
-
[Publications] 石川正道: "微小重力下におけるコロイド結晶成長" 日本マイクログラビテイ応用学会誌. 13・3. 149-157 (1996)
-
[Publications] 恩田智彦: "フラクタル表面の超発水・超親水現象" 日本物理学会誌. 53. 107-110 (1998)
-
[Publications] M.Yamada: "Biorthogonal waveletes adapted to integral operators and their applications" Japan J.Indust.Appl.Math.14・2. 257-277 (1997)
-
[Publications] N.Ishimura: "Shape of spirals" Tohoku Math.J. (1998)
-
[Publications] K.Sakamoto: "Insternal layers in high-dimensional domains" Proc.Royal Soc.Edingburgh. (1998)