1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09355004
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
渡辺 誠 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00025397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 丈雄 東北大学, 科学計測研究所, 助手 (80261478)
柳原 美廣 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (40174552)
山本 正樹 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (00137887)
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Keywords | 顕微分光計 / シュバルツシルト縮小光学系 / 真空紫外 / 吸収 / 反射 / 蛍光 / 光電子分光 |
Research Abstract |
新しい物質を探索する上でその物質の基礎吸収端領域の光学的性質を調べることは、その物質の同定、不純物・キャリア濃度の見積もり、電子構造の解明などのために不可欠である。しかし、新しい物質を合成する過程では、はじめから通常の光学測定に耐えるだけの大きさを持ったものを育成できることは稀である。従って本研究では、可視・紫外から真空紫外にわたる波長領域(600nm〜数10nm)において、吸収、反射、蛍光および光電子分光の測定が行える複合顕微分光計を設計・製作することを目的とした。この複合分光計では、凹面鏡、凸面鏡および入射ピンホールの組み合わせによるシュバルツシルト縮小光学系を用い、結像スポットを固定して試料を移動・走査する方式を採った。本年度は、まず始めに可視・紫外域で、これまで手がけてきたBi系高温超伝導体ひげ結晶(幅10μm、長さ500μm)の反射測定を液体窒素温度まで拡張し、世界で最高の反射率を得た。また臨界温度以上と以下とでは、スペクトル形状に明確な差が現れることを見出した。これらの結果は、微小ながら非常に平滑な面が出ているひげ結晶について、顕微分光測定が行えたから得られたものである。また上記で用いたものと同様の縮小光学系と試料測定槽を既存の瀬谷-波岡型真空紫外分光器に接続し、吸収、反射測定のみならず蛍光測定も行えるようにした。そしてこの瀬谷-波岡型分光器と縮小光学系から、既に完成させた光電子分光装置にHe I(58.4nm)とHe II共鳴線(30.4nm)を導入するため、それら共鳴線と分光測定に必要な長波長域の光に対し高い反射率を持つ多層膜を、設計・製作した。今後、これを光学素子に蒸着し複合顕微分光計を完成させ、微小磁性体試料などの測定を開始する。
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Research Products
(1 results)