1997 Fiscal Year Annual Research Report
フォントを工具とする超高密度三次元光記録装置の開発
Project/Area Number |
09355008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
三澤 弘明 徳島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30253230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 繁樹 徳島大学, 工学部, 助手 (20294720)
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Keywords | 三次元メモリ / 三次元光記録 / 石英ガラス / 屈折率変化 / PMMA |
Research Abstract |
新しく導入したフェムト秒チタンサファイアレーザーを用いて石英ガラスへの三次元記録の実験を行った。その結果,再生増幅したフェムト秒パルス光の第二高調波(400nm,〜130fs)を集光照射することにより,ピコ秒Nd:YAGレーザーの場合と同様に,単一パルスでビットを形成することが可能であることが確認された。 高効率で三次元記録が行えるような新しい材料を開発するためには,短パルスレーザーを集光照射した時に焦点付近にビットが形成されるメカニズムを詳細に解明する必要がある。そのため,ガラス板の内部に多数のビットを形成した石英ガラスの表面を原子間力顕微鏡で観察した。その結果,ガラス表面に凹状のくぼみが形成していることが明らかとなった。これは,レーザー照射した部分の体積収縮が生じたためと考えられる。したがって,ビット形成に伴いガラスの高密度化が誘起され,屈折率の上昇が生じているものと考えられる。また,ピコ秒のパルスレーザーを用いて書き込み速度の計測を行ったところ,ビット形成に伴う屈折率変化は400ピコ秒程度で完了していることが明らかとなった。これは,この石英ガラスの三次元光書き込みでは,従来の三次元光記録では不可能だった,極めて高速な書き込みが可能であることを示唆している。 一方,しきい値の低い新たな三次元記録材料の候補の一つとして有機材料を考え,数種のポリマー系で実験を行った。その結果,PMMAを材料として光学的に透明な膜を作製することができ,その膜には石英ガラスよりも1桁低いレーザーパワーで書き込みが可能であることが明らかとなった。さらに,500nm付近に現れるビットからの蛍光を観察することによって,ビットそれ自身の像を観察するよりも高い分解能で記録を読み出すことができる可能性を見い出した。
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[Publications] T.Takahashi, S.Matsuo, H.Misawa, et al.: "Morphology Dependent Resonant Lasing of a Dye-doped Microsphere Prepared by Nonlinear Optical Material" Thin Solid Film. (in press). (1998)