1997 Fiscal Year Annual Research Report
超清浄雰囲気スパッタ法によるスピンバルブ型GMR薄膜の界面構造制御とヘッド試作
Project/Area Number |
09355010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 研 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70108471)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉良 徹 シャープ(株), 精密技術開発センター, 技師長
角田 清 東北大学, 大学院。工学研究科, 助手 (80250702)
荘司 弘樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70241528)
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Keywords | 磁性薄膜 / 極高真空 / スパッタリング / 極薄膜 |
Research Abstract |
本研究では、成膜雰囲気の清浄化が薄膜成長過程に及ぼす影響の物理的起源を解明し、スパッタ成膜プロセスにおける薄膜微細構造の制御技術を確立する。さらに超高密度HDD対応スピンルブGMR薄膜素子の試作により、その実証を行う。本年度は、超清浄スパッタ雰囲気を実現するために、極高真空対応のマルチスパッタシステムの構築、ならびに、金属極薄膜の初期成長過程および組織均質性の制御について、基礎的な検討を行った。 1.真空動作ロボットによって連結されたスパッタリング室を備えた、オールAI製マルチスパッタリング装置を、本学工学部ミニスーパークリーンルームに設置した。成膜室の到達真空度は8×10^<-12>Torr以下であり、従来の成膜装置に比較して3〜4桁低いチャンバーからのガス放出速度が得られた。不純物濃度が1ppb以下の超高純度(ウルトラクリーン)ArおよびN_2ガスを、オールメタル仕様のガス供給系統を介して各スパッタ室に供給した。極高真空対応ガスモニターにより評価した残留不純物ガスはほとんどH_2のみであり、成膜雰囲中の不純物濃度は一般の成膜装置にくらべて4桁程度少ない10ppbであることが判った。 2.構築したスパッタシステムを用い、超清浄雰囲気下で強磁性金属(Ni-Fe)極薄膜をシリコンおよび石英ガラス基板上に作製した。その結果、プロセスガス導入前のスパッタ室の真空度を10^<-7>Torrから10^<-11>に低下させる(成膜雰囲気を清浄化する)ことにより、結晶粒径は増大し、かつ結晶面配向が向上した。同時に、10%程度の電気抵抗率の低下および残留抵抗比(RRR)の向上が観測され、薄膜中の結晶欠陥ならびに結晶粒界の減少が明らかとなった。二次イオン質量分析計(SIMS)による膜中不純物量の測定から、上記の成膜雰囲気の清浄化により、膜中のOおよびO_2量がおよそ6分の1低減することが判った。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] M.Tsunoda: "Microsyructure and giant magnetoresistance of Co-Cu granular films fabricated under the extremely clean spatteruy process" Jornal of Applied Physics. 83(印刷中). (1998)
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[Publications] S.Miura: "Infuluence of Impurity Gas in theSputtering Atemaspyere on the Microstructure and the GMR in Co/Cu Multilayers" IEEE Transcation on Magnetics. 34(印刷中). (1998)