1997 Fiscal Year Annual Research Report
Bi系酸化物超伝導体のおける相生成促進、ピン止め点導入と線材、バルク材への応用
Project/Area Number |
09355023
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 弘 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00281981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 謙一 住友電気工業(株), 超伝導研究部, 部長
田中 吉秋 科学技術庁, 金属材料技術研究所, 研究室長
平賀 賢二 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (30005912)
渡辺 和雄 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (30143027)
菊地 迪夫 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (30204837)
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Keywords | 高温超伝導体 / Bi系酸化物超伝導線材 / Bi2223 / V添加 / 銀シース法 / ピン止め点 / 臨界電流密度Jc |
Research Abstract |
我々は最近、V添加が、T_Cの低下なしに(Bi,Pb)2223相の生成を著しく促進することを見出した。そこで今年度は、種々のV量を添加した(Bi,Pb)2223線材をAgシース法により作製し、超伝導特性の測定や組織観察を行い、それらの関連性について検討した。 Bi_<1.8>Pb_<0.25>Sr_2Ca_2Cu_3V_XO_Y(x=0〜0.3)近傍の粉末をAgパイプ(又はAg合金パイプ)に充填し、線引(〜1mmφ)、圧延を行い、テープ状(0.2mm厚)にした。それらのテープ線材から短尺試料(50mm長)を切り取り、大気中825〜840℃での焼成と中間プレスを2回ほど繰り返して試 料を作製した。それらの試料について、T_CI_C(4.2Kと77K、15Tまでの磁場中)等を測定するとともに、XRD,SEM,TEMを用いて結晶配向性、組織、析出物の形態等について調べた。 実験結果は、V添加量の増加とともに臨界電流密度J_Cは増加する傾向を示し、ピン止め点導入の可能性を示唆している。まだ焼成条件が最適化されていないため、いずれの試料においてもヒストリー効果が大きく、ウィークリンクの存在を暗示している。組織内には、Bi2223相結晶がAgシース面に平行に配向している。VはBi2223結晶中には固溶せず、0.5〜数μm径の極めて薄い板状の(SrCa)_6V_2O_<11>結晶としてBi2223相のab面に平行に析出、分布しており、それらがピン止め点として作用しているものと考えている。現在さらなるJ_C向上を目指して、Sr-V-O析出物の微細化について研究している。それらの成果を、国際会議(3編)、国内会議(3編)で発表し注目を集めた。 さらに、Ir,Ge等の添加効果についても現在研究を進めている。
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