1998 Fiscal Year Annual Research Report
組織制御されたβ-サイアロン複合材料の開発とその耐過酷環境性
Project/Area Number |
09355029
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
嶋田 志郎 北海道大学, 大学院工学研究科, 教授 (90002310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 圭穂 北海道工業技術研究所, 極限環境部, 技官
奥谷 猛 北海道工業技術研究所, 極限環境部, 部長
清野 肇 北海道大学, 大学院工学研究科, 助手 (50281788)
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Keywords | 組織制御 / β-サイアロン / α-Si_3N_4 / 複合材料 / 耐環境性 / 水蒸気雰囲気 / 酸化 |
Research Abstract |
本研究では,β-サイアロンのwet雰囲気下での酸化に対する水蒸気の寄与を検討するため,TEMにより試料の微細構造を観察し,^<17>O濃縮した水を用いて試料を酸化させ^<17>OMAS NMR測定を行った.さらに酸化に対する酸素分圧と水蒸気分圧の影響を調べた.宇部興産製のβ-サイアロン粉末(Si_<6-z>Al_zO_2N_<8-z>;z=1,2,3)を電気炉中,1000〜1300℃,4時間,Ar/O_2/H_2O(70/20/10kPa)の混合気体流通下で酸化させ、酸化に伴う重量変化はマイクロ天秤(Cahn 2000)を用いて測定した.両雰囲気において酸化によって生成する酸化物相はムライトと非晶質SiO_2であり,wet雰囲気ではdry雰囲気に比較し酸化は進んだ.どちらの条件で酸化させた試料にも粒子中に数十nm程度の針状の組織が観察され、XRD測定の結果から針状の組織はムライトであると考えられた.酸化による重量増加曲線を拡散律速のGinstling-Brounshteinの式を用いて解析した,この速度定数は酸素分圧に対してほぼ比例したが,水蒸気分圧に対しては約15kPaまでは,酸化速度は水蒸気分圧の二乗に比例した.高温における水のSiO_2への溶解度は水蒸気分圧の二乗に比例すると知られており,水蒸気が酸化物相である非晶質SiO_2に溶解し,酸化を促進させていると考えられる.β-サイアロンの^<17>O MAS NMRスペクトルから、酸化されたβ-サイアロンのスペクトルには,Si-O-Si,Si-O-Al,Al-O-Alの3種のサイトが存在すると考えられる.水蒸気雰囲気と酸素と水蒸気の共存雰囲気で酸化した試料のスペクトルには大きな違いが確認されなかった.H_2^<17>Oの酸素が上記の3種のサイト占めることから,H_2^<17>Oの水蒸気がP-サイアロンを酸化させ,最終的に酸化生成相であるムライトとSiO_2に取り込まれていることが明となった.
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[Publications] Shiro SHIMADA: "Early-Stage Thermal Oxidation of Carbothermal β-Sialon Powder" J.Am.Ceram.Soc.81[1]. 266-268 (1998)
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[Publications] Shiro SHIMADA: "Preparation of Thick α-Si_3N_4 Whiskers from Silica Black Ore" J.Ceram.Soc.Jpn. 106[9]. 935-937 (1998)
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[Publications] K.J.D.MacKenzie: "Kinetics and mechanism of thermal oxidation of sialon ceramic powders" Thermochim,Acta. 318. 91-100 (1998)