1999 Fiscal Year Annual Research Report
組織制御されたβ-サイアロン複合材料の開発とその耐過酷環境性
Project/Area Number |
09355029
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
嶋田 志郎 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90002310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 圭穂 北海道工学技術研究所, 極限環境部, 研究職
清野 肇 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50281788)
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Keywords | 組織制御 / β-サイアロン._ / d-Si_3N_4 / 複合材料 / 耐環境性 / 水蒸気雰囲気 / 酸化 |
Research Abstract |
本年度は、β-サイアロンとY-α-サイアロン粉末を、水蒸気を含む雰囲気、Ar/O_2/H_2O=70/20/10KPa中(以後wet)、1000〜1300℃の温度範囲、3〜93hの条件で酸化を行い、酸化を速度論的に考察し、生成相の同定と微細構造観察から水蒸気による酸化の影響を検討した。Β-サイアロンの組成はSi_<6-Z>Al_Z0_ZN_<8-Z>(z=1,2,3)、Y-α-SiAlONはY_<0.54>Si_<9.57>Al_<2.43>O_<0.81>N_<15.19>である。Z値が1,2,3のβ-サイアロン粉末をwet雰囲気中1200℃,1hの条件で酸化させた試料の^<29>Si MAS NMRスペクトルからムライトと非晶質のSiO_2が生成していることが分かった。NMRスペクトルにおけるムライトとSiO_2に相当するピークの強度比から、z値が増加すると生成相中のムライトの割合が増加することが示された。この試料のTEM観察から、ムライト針状粒子が認められた。酸化速度の結果から、wet雰囲気では反応が早く進行し、水蒸気により酸化が促進されることが分かった。反応率は初期(α<15〜20%)には時間に対して直線的に変化し,α<20〜30%では拡散律速で進行した。速度定数,酸化の活性化エネルギーとz値との関係から、z値が増加すると速度定数の値は大きくなり、活性化エネルギーの値は小さくなる傾向が見られた。Dryとwet雰囲気における速度定数と活性化エネルギーの差はz値が増加するにつれ大きくなった。一方、γ-α-サイアロンを酸化すると、それぞれ、1200℃、1100℃以上でムライト結晶が、1300℃でクリストバライト(SiO_2)結晶が生成し、wet酸化を1200℃以上で1時間行うと、y-Y_2Si_2O_7結晶が生成することが分かった。酸化速度は反応率が40%〜60%の範囲で拡散律速の機構で反応が進行していると考えられた。
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[Publications] Shiro Shimada: "Controled Oxidation of Corbides with Retention of Carbon"Advances in Science and Technology. 13(A). 36-375 (1999)
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[Publications] Shiro Shimada: "Oxidation and Mechanical Behaviorl of Carbothermal β-Sialon Ceramics"J.Ceramlc Society Jpn.. 107(9). 786-790 (1999)