1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09355031
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
藤原 祐三 九州大学, 工学部, 教授 (10029481)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴鴨 剛夫 住友化学工業株式会社, 研究主幹
長田 憲典 九州大学, 工学部, 助手 (40264080)
谷口 祐樹 九州大学, 工学部, 助手 (50217139)
北村 二雄 九州大学, 工学部, 助教授 (00153122)
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Keywords | 酢酸パラジウム / 長鎖アルキルベンゼン / 芳香族化合物のカルボキシル化 / アミノメチル化反応 / メタンの活性化 / イッテルビウム化合物 / 酢酸合成 / ヘテロポリ酸 |
Research Abstract |
本年度は次の三つの反応について検討した。 1.長鎖アルキル基置換ベンゼンとCOより芳香族カルボン酸の合成 Pd(OAC)_2/K_2S_2O_8系触媒により,CF_3COOH/CH_2ClCH_2Cl混合溶媒を用いると,n-ドデシルベンゼンの1atm COによるカルボキシル化反応が常温常圧という温和な条件で進行し,パラ及びオルト-n-ドデシル安息香酸が85%収率(生成比約3:1)で得られることを見いだした.この反応で,CH_2ClCH_2Clを用いない場合は,収率は30%に低下するがパラ体のみが選択的に得られた.長鎖置換基として,C_<12>H_<25>の他に,C_<10>H_<21>,C_8H_<17>,C_6H_<13>,C_<14>H_<29>O,C_<12>H_<25>O,C_<10>H_<21>Oなども同様に常温常圧で反応することが明らかになった.このように1atmCD,室温という温和な条件での芳香族化合物のカルボキシル化反応は,これまでに例がなく新しい反応である。 2.アルカンのアミノメチル化反応 Cu(OAc)_2/CF_3COOH系によりエタン,プロパンなどのアルカンがアミノメチル化されて,N,N-ジメチルアミノメチル化物を与えることを既に見いだしているので,さらに新しい触媒系を見いだす為にヘテロポリ酸を触媒に用いて検討した。その結果,ポリ酸として,H_6PV_3Mo_9O_<40>を,アミノメチル化剤として,N,N,N′,N′-テトラメチルジアミノメタン〔(CH_3)_2NCH_2N(CH_3)_2〕を用い,(CF_3CO)_2O/CF_3COOH混合溶媒を使用するとシクロヘキサンなどのアルカンが60°Cで,高いターンオーバー数(1927)でアミノメチル化されることを見いだした。また,バナジウム酸化物(V_2O_3)も本反応の触媒として活性が高いことも明らかになった.今後さらに本反応の一般性を明らかにすると共に反応機構を解明する。 3.メタンとCOより酢酸合成 Yb(OAc)_3/Mn(DAC)_2/NaClO触媒系でメタン(20atm)とCO(10atm)を反応させると,水溶液中で反応が進行しメタン基準で4.3%収率で酢酸が得られることを見いだした.今後さらに.収率の向上を中心に検討する予定である。
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