1998 Fiscal Year Annual Research Report
20年前のままの高分子固体科学に新風を:固体のバルクな構造と物性再現への挑戦
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09355033
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Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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| Research Institution | Osaka University |
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Principal Investigator |
田代 孝二 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60171691)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 成志 モレキュラーシミュレーション(株), 応用科学研究主任
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| Keywords | 高分子 / 高次組織 / 結晶構造 / 非昌構造 / 力学物性 / 計算機 / シミュレーション / ポリエチレン |
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| Research Abstract |
本研究では、計算機の並列方式のテクニックを導入し、ポリエチレンを対象に、結晶、非晶、折れたたみなどを複雑に含むバルクな固体について、果たして、どの程度、実際の構造をシミュレートできるのかを探っている。より具体的な問題として、溶融状態のランダムコイルから何故に折れたたみラメラ構造が発生し、それがいかなる機構で球晶へと発達していくのか、その原因を、分子のレベルから解明することを試みている。さらには、こうしてできた高次組織が、バルク物性といかなる形で絡み合っているのか、その根本的な理由を明らかにしてみたい。これが本研究で目指す大きな目標の一つである。もしも、これが成功すれば、極めて曖昧で中途半端に終わってきた「バルク高分子固体の構造と物性」との関わりの研究分野に大きな革命をもたらすだけではなく、合成や加工などを含む高分子全般について、計算機シミュレーションの比重を極めて大きなものとすることができるはずである。
(1) 昨年度、計算機を複数台組み込んだシステムを立ち上げたが、本年度は、このシステムにセットしたソフトを用いて、ポリエチレンを対象に、システムのチェックを行った。
(2) 計算を本格的に行なうにあたって用いるべきポテンシャル関数のパラメーターを決定し、実測の振動スペクトルなどがよく再現できることを確認した。
(3) ポリエチレン結晶構造の温度依存性を分子動力学計算で再現することを行なっている最中である。X線構造解析の結果がどこまで再現できるかを検討中である。また、力学物性の温度変化計算試みている。
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[Publications] K.Tashiro et al.: "Microscopically-Viewed Structural Change of Polyethylene during the Isothermal Crystallization from the melt[2]" Polymer. (in press).
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[Publications] K.Tashiro et al.: "Temperature Dependence of Crystal Structure of Uniaxially-Oriented Polyethylene Analysed by an X-ray Imaging Plate System" Polymer. (in press).
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[Publications] K.Tashiro et al.: "Microscopically-Viewed Structural Change of Polyethylene during Isothermal Crystallization from the Melt[1] Time-Resolved FTIR Spectal Measurements" Polym.J.6. 485-491 (1998)
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[Publications] 田代孝二: "繊維の力学極限物性予測のための総合システムの開拓と展開" 繊維学会誌. 54. 365-369 (1998)
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[Publications] K.Tashiro et al.: "Structural Changes in Solvent-induced Crystallizationof syndiotactic Polystyrene Viewed from the Time-Resolved Measurements of Infrared/Raman Spectra and X-ray Diffraction" Polymer Spectroscopy. (in press).
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[Publications] K.Tashiro: "Crystal Structure and Packing Disorder of Poly(p-phenylenebenzobisoxazole):Srucrural Analysis by an Organized Combination of X-ray Imaging Plate System and Computer Simulation Technique" Macromolecules. 31. 5430-5440 (1998)
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[Publications] K.Tashiro(共著): "Fourioer Transform Spectroscopy" de Haseth(AIP), 753 (1998)
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[Publications] 田代孝二(共著): "赤外分光法の高分子科学への応用、実用分光法シリーズ「赤外分光法」" 尾崎幸洋編著(アイピーシー出版部), 325 (1998)
