力学的エネルギー直接変換・抽出指向型燃焼と超高効率ガスタービンへの新展開

2000 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09358009
• Research Institution: Shibaura Institute of Technology
• Principal Investigator: 越後 亮三 芝浦工業大学, 工学部, 教授 (70037737)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 林 茂 航空宇宙技術研究所, 反応流体研究室, 主任研究官 ; 森吉 泰生 千葉大学, 工学部, 助教授 (40230172) ; 菱田 誠 千葉大学, 工学部, 教授 (10291296) ; 森 建二 川崎重工業(株), 明石技術研究所, 副所長
• Keywords: エネルギー変換 / 力学エネルギー / 等温膨張燃焼 / 旋回流 / 高温予熱燃焼 / 燃料噴射時期

Research Abstract

研究は期間をとおして定常流燃焼系(芝浦工業大学)と非定常間歇燃焼系(千葉大学)に分けて実施した.
定常燃焼系に関する研究のうち実験的研究では旋回流に関連する研究と平行平板間流路における高温予熱燃焼について行った.また理論解析では1次元熱力学モデルに旋回流の効果を取り入れる方法を採用し,旋回流の加速によって平均圧力は変化しないこととその加速が等温燃焼によって実現することが可能であることを前提条件としているが,定常流の加圧を定量的に明らかにした.さらに最終的な結果は得られなかったが,3次元解析による検討も進展し,旋回流の創出と粘性による旋回流の解消過程等いくつかの重要な知見を得た.また平行平板間流路系の解析を行い,高温に加熱された主流内に希薄な燃料を注入した場合の流動解析によって燃料の予混合比とか流入速度等燃焼の基本的な指針を得るとともに対応する実験において実際に燃焼させ,流域全体の温度分布を求めた.さらに旋回流の実験では旋回流加速のためにスパイラル状の熱線ヒーターを組み込んだスワーラを試作し,圧力分布の測定を行った.その結果旋回流と圧力の相関は得られたが,ヒーターによる加速は期待どおりの結果は得られなかった.
また,非定常間歇燃焼系に関しては等温膨張的燃焼の燃焼機構を高速FIDによる局所燃料濃度測定によって解明することを試みた.この結果,ガス流動場と燃料噴射時期をコントロールすることで点火時期に適当な濃度の混合気が点火栓付近に存在し,温度の下がる膨張行程中であっても比較的急速な燃焼が維持されること及び等温的燃焼による熱損失の低減による燃費削減等が明らかになった.

Research Products

• [Publications] 森吉,小松,森川: "単純化された層状給気乱流燃焼の解析"自動車技術会秋季講演会前刷集. No.85. (2000)
• [Publications] 越後亮三: "カルノーサイクルの熱力学に関する再評価と考察(続報)"第38回日本伝熱シンポジウム論文集. (電子出版). (2001)
• [Publications] 鐘江聡,越後亮三: "垂直円柱を囲む多孔体中を落下する液体による伝熱特性"第38回日本伝熱シンポジウム論文集. (電子出版). (2001)
• [Publications] 原武志,越後亮三,平田賢: "永久凍土地帯における凍結・融解層の熱的挙動-日毎・季節変動の2重周期変化の場合"第38回日本伝熱シンポジウム論文集. (電子出版). (2001)