1998 Fiscal Year Annual Research Report
DNAテクノロジーによる古代社会の復元システムの開発
Project/Area Number |
09359002
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
植田 信太郎 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20143357)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 成也 国立遺伝学研究所, 助教授 (30192587)
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Keywords | 古代社会 / DNA / 遺跡 / 分子考古学 / 中国 / 漢代 / PCR / 古人骨 |
Research Abstract |
「抜歯や副葬品などの個体情報」や「遺跡における埋葬の相対的状況」などのより複雑な遺跡情報を,遺跡から出土した古人骨それぞれのDNA情報と統合し,古代社会を復元していくための解析システムを開発することを目的として,以下の解析を進めた。 昨年度に用いた試料は日本の縄文ならびに弥生そして古墳時代の遺跡から出土した古人骨であったが、本年度は時代的には弥生時代とほぼ同じ時期に属する中国・山東省の漢代の遺跡より出土した古人骨をもちいて,(1)古人骨からのDNAの抽出・精製{古人骨を液体窒素にてフリーズしたのち物理的に破削し粉末状態にする。こうして得られたパウダーをバッファライズした水溶液中に入れて撹拌しDNAを抽出,その後アフィニティー法にてPolymerase Chain Reaction(PCR)法によるDNA増幅に適した純度にまでDNA精製を進める},(2)分離・精製した古人骨DNAをPCR法により増幅{増幅領域は高度の遺伝的多様性の存在が知られているミトコンドリアDNAのDループ領域},(3)増幅に成功した古人骨試料に関してdirect sequencing法(ダイデオキシ法)によるDNA塩基配列の決定,をおこなった。そして、昨年度にプロトタイプを開発したコンピューター・プログラムを用いて、各OTU間のgene gene aologyを描き、初期段階での開発システムの評価をスタートした。また、昨年度はマニュアルでおこなった「非常に多数(数千レベル)の配列情報のなかから相同性の高い配列を選び出し,それら配列間でのアライメントの実行」に関して、新たなアルゴリズムの開発をおこなった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Oota H.: "Molecular Gevehz Analysis of Remans of a 2,000-year-old Human Pepulatio in china and It's Releugnce for the Ongn of the Mexens Japanese" Amevican Journal of Human Genefrcs. 64・1 (in press). (1999)
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[Publications] Saitoh H.: "The diffcrent mobilrh of couple kentany strands depends on the prportion of AC/GT" Foveusiz Science Interuafronel. 91・2. 81-90 (1998)
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[Publications] 植田信太郎: "分子進化-解析の技法とその応用-" 共立出版, 196 (1998)
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[Publications] 植田信太郎: "考古学と人類学" 同成社, 191 (1998)