1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410013
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Research Institution | Koyasan University |
Principal Investigator |
越智 淳仁 高野山大学, 文学部, 教授 (80086032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生井 智紹 高野山大学, 文学部, 教授 (80113190)
桂 紹隆 広島大学, 文学部, 教授 (50097903)
田村 智淳 宮崎大学, 教育学部, 教授 (80025064)
丹治 昭義 関西大学, 文学部, 教授 (00067555)
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Keywords | 華厳経 / 入法界品 / 大日経 / 法身 / 加持 / 我業 / adhisthana / 神変 |
Research Abstract |
本年度は当初の実施計画に沿って、以下のような研究成果をあげた。 1.文献学的研究 (1)研究の役割分担では、今年度は次のような実績を積んだ。関西大学、宮崎大学、広島大学分担の『華厳経』入法界品梵漢テキストの入力はほぼ完了した。次年度はその校正に取りかかる。高野山大学の蔵文テキスト入力は50パーセントを完了した。梵文写本に関しては、ケンブリッジ大学図書館蔵の二種の入法界品写本を入手し、複写製本の上各研究者に配布し、梵本研究に便ならしめている。また次年度は、『仏地経』の梵文入力を目指す予定。 (2)主要設備では、上記の作業を遂行すべく宮崎大学と広島大学に各1セット、高野山大学に2セットのパーソナル・コンピュータを設置し、各研究者間で入力した梵蔵漢テキストのデジタル・データを相互利用し、意見交換や事務連絡等を行ってきた。 2.思想史的研究 各研究者はキーワードを選定し、それによって思想史的研究を進めている。今年度は以下のような合宿形式の研究会を二度開催した。まず高野山大学での研究会(平成9年8月)では越智は『大日経』における神変加持(vikurvitadhisthana)」,「『華厳経』「入法界品」における法身の意味」、生井は『華厳経』における〈我業〉(sva-karma)について」、また宮崎大学での研究会(平成10年1月)では田村は「「入法界品」における加持(adhisthana)の用語例」、桂は「初期仏教(教典)と華厳経の連続性と非連続性の研究」について研究発表し意見交換した。その結果、幾つかの新たな知見が得られた。
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