1998 Fiscal Year Annual Research Report
外から見た沖縄の音文化-内外の視点を交叉させる比較研究-
Project/Area Number |
09410018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 修 大阪大学, 文学部, 教授 (20061583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 家駿 大阪大学, 文学部, 助手 (60283701)
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Keywords | 沖縄の音 / 沖縄音楽 / ウチナーポップス / 日本本島の芸能 / 福建音楽 / ベトナム音楽 / 身体打奏 / 打音 |
Research Abstract |
2年目を迎えた本研究では、「外から見た」と掲げた方法的立場をより鮮明に打ち出すべく、資料の探索はもとより、実地でのフィールドワーク的観察の点でも、他の研究活動と連携して進めてきた。具体的には、学外活動の一環としてのラオス再訪問と九州研修、当研究費による沖縄、東京、中国出張、学外活動の欧州、タイ、マレーシア、およびベトナム研修を代表者が行ない、分担者は中国出張があったので、総じて、本研究の視点を強化する上で役に立った。さらに、今年度に訪問できなかったにしても、過去に訪れた朝鮮半島南北やミクロネシア、インドネシアなどの既存資料の再整備はもとより、新たに文献や視聴覚資料を入手している。これら一連の活動を通じて、これまで保有していた人的ネットワークに加え、新たに個人や研究グループとの情報交換のチャンネルが増え、こうした情報群は、極力デジカル化するように心掛けているので、3年目にはシステム化が大きな課題となるであろう。 沖縄の音文化の基本として想定した「打音と弦音のさまざま」については、すでに集積した資料をもとにある程度分析を試み、その体験から得た知見を反映させるかたちで、研究代表者が監修者の一人として公刊した『ジアの音楽と文化』 (LD6枚組、ビクターエンタディーメント、1998年11月)のなかに沖縄を重点項目として組み込むことができた。これは、科研研究の直接的な産物ではなく、そのプロセスが科研研究であったので、そのプロセスをさらに充実させた上で、次年度の研究に繋がることになる。具体的には、自然の素材を活かした打音がサウンドスケープの一環をなすこと、アンサンブルによる打音と弦音の絡み合いなどが比較検討されることになる。
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