1999 Fiscal Year Annual Research Report
外から見た沖縄の音文化-内外の視点を交叉させる比較研究
Project/Area Number |
09410018
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山口 修 大阪大学, 大学院・文学研究科, 教授 (20061583)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
朱 家駿 大阪大学, 大学院・文学研究科, 助手 (60283701)
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Keywords | 沖縄の音 / 沖縄音楽 / ウチナーポップス / 日本本土の芸能 / 福建音楽 / ベトナム音楽 / 身体打奏 / 打音 |
Research Abstract |
3年目を迎えた本研究では、昨年度に引き続き「外から見た」と掲げる当研究の方法的立場を鮮明に打ち出すことに重点をおき、資料のさらなる収集と整理はもとより、実地でのフィールドワークによる省察を重ね、結果、「応用音楽学」という独自の視点を獲得した。すなわち、「社会から学び、社会へ成果を還元する」という意味での音楽学と社会の互恵的関係を前面に方法論として掲げる研究代表者の新構想は、直接的に当研究を契機として実現したのである。もっとも、それは過去四半世紀にわたる研究生活の総決算という意味合いをも含んでおり、さまざまな文化に固有の価値観をそれぞれ重視しつつ研究に反映させる「多重イーミックス」という独自の構想に根ざすものでもある。その考え方の芽生えは代表者の学位論文(1990)であり、それを外国の読者にも近づき得るようにする努力の一環として分担者が中心となった中国語翻訳出版も本年度全うすることができた(北京、1999)ので、方法論をコンビワークのなかに強固に組み込むことができた。 上記の方法的立場に立って具体的な問題を当研究において続行している。それは、「打音と弦音のさまざま」という切り口で、歌声や他の楽器音とともに構成する織体(テクスチュア)が沖縄の新民謡で実現されている形態を周辺地域の現代ポップスと比較する作業である。もちろん、それぞれの地域での伝統的な音楽語法への比較学的接近をも平行しておこなっている。すなわち、当研究費による沖縄、東京、中国、タイ、マレーシアへの出張、さらに他の機会によるベトナム、米国(ハワイ)、インドネシアでの研修の際の副産物的調査が今年度に実施できた。このようにして、いわば「時空を超越した比較文化学」を次年度にも継続しつつ、当研究の最終年度としての総括にすでに着手しており、それが二人の研究者それぞれの生産研究においてひとつの節目となることを予感している。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 山口 修: "「アジア」文化の創造ー音楽交流の過去と現在"アステイオン. 51. 174-185 (1999)
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[Publications] 山口 修: "応用音楽学"放送大学教育振興会. 370 (2000)
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[Publications] 宋家駿(紀太平、仲万美子、橋田勲芸訳): "*自積淤的水中(山口修厚著)"中国社会科学院**社. 288 (1999)