1997 Fiscal Year Annual Research Report
欲求性および嫌悪性行動に伴うストレス反応の特徴に関する生物心理学的研究
Project/Area Number |
09410024
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中原 大一郎 浜松医科大学, 医学部, 教授 (80128389)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 直人 浜松医科大学, 医学部, 教務職員 (30211436)
沖 隆 浜松医科大学, 医学部, 助手 (20169204)
|
Keywords | 自己刺激行動 / マイクロダイアリシス / 嫌悪性行動 / 欲求性行動 / グルタミン酸 / ストレス / 酵素一蛍光分析 / グルココルチコイド |
Research Abstract |
本年度は、(1)マイクロダイアリシスによる細胞外グルタミン酸濃度の高感度測定法の確立と(2)欲求性行動および嫌悪性行動におけるストレスモデルの作製を行った。 (1)すでにわれわれは、オンラインでの酵素-蛍光分析によってグルタミン酸の細胞外濃度を連続的に測定する方法を開発している。この方法により、高時間分解能(1分)での細胞外グルタミン酸濃度の測定が可能になった。しかし、われわれの方法の問題点は検出感度が低いことである(0.5〜1μM程度)。それゆえ、細胞外濃度の比較的高い皮質からグルタミン酸を検出することはできたが、細胞外濃度の低い深部脳組織におけるグルタミン酸の変化(0.1μM〜0.3μM)を測定することはできなかった。そこで、本研究では、この方法の検出感度を0.05〜0.1μMの水準にまで改善した。これにより、情動処理系として重要な扁桃核や海馬のグルタミン酸濃度の測定が可能になった。 (2)欲求性行動におけるストレスモデル(欲求性ストレスモデル)としては、すでに予備的実験を済ませてある自己刺激行動モデルの妥当性を検討した。また、嫌悪性行動におけるストレスモデル(嫌悪性ストレスモデル)としては、拘束ストレス、電撃ストレス、などの身体的ストレスの妥当性を検討した。妥当性の指標としては、ストレスに対する内分泌反応として最もよく知られている副腎グルココルチコイド分泌反応を用いた。ラジオイムノアッセイにより測定したコルチコステロンの分泌量は、欲求性と嫌悪性ストレスモデル動物において、共にコントロール値(5〜7μg/dl)から5倍以上の増加を示した。これにより、嫌悪性のみならず欲求性行動も同程度のストレス性内分泌反応を示すことがわかった。
|
-
[Publications] Tsutomu Takahashi: "Cytotoxicity of endogenous isoquinolines to human dopaminergic neuroblastoma SH-SY5Y cells" Journal of Neural Transmission. 104. 59-66 (1997)
-
[Publications] Masato Nakamura: "Characterization of beta-phenylethylamine-induced monoamine release in rat nucleus accumbens: a microdialysis study" European Journal of Pharmacology. (in press). (1997)
-
[Publications] Makoto Naoi: "Coulometric electrode array detectors for HPLC,Progress in HPLC-HPCE" VSP Press,Zeist,The Netherland(Eds,M.Naoi,H.Parvez,I.N.Acowth,S.Parvez and W.Matson), 370 (1997)