1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410027
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
箱田 裕司 九州大学, 大学院人間環境学研究科, 教授 (50117214)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 満代 (安藤 満代) 九州大学, 医療技術短期大学部, 講師 (10284457)
|
Keywords | 生物画像 / カテゴリー化 / 非対称的混同効果 / 追加 / 削除 / 蝶 / 蜂 / 再認 |
Research Abstract |
本研究では、従来のカテゴリー研究が用いてきた刺激である幾何図形、ドットパターン、略画などではなく、自然画像なかでも生物画像を刺激としてそのカテゴリー化の仕組みについて研究を行った。その結果、生物画像を呈示しその再認を求めると画像の各構成成分の再認記憶に及ぼす貢献度には顕著な違いがあることが明らかになった。蝶では前翅の貢献度が高く、蜂では腹部の貢献度が高かった。このことが人間の環境適応上持つ意味について議論された。また、同じ特徴の変化であっても追加変化が削除変化よりも認知されやすいといういわゆる非対称的混同効果は従来の研究と同様認められたが、猫を刺激画像として用いるとその効果は逆転すること、その背景に印象(典型性、奇異性など)の変化があることが明らかになった。さらに、従来の研究には追加・削除変化と逸脱・復元変化が交絡しており、この交絡をコントロールした研究では逸脱変化においてのみ追加変化優位の非対称的混同効果が認められた。さらにこの背景に印象変化が関わっていることが確認された。さらにこのような成人を被験者として得られた知見は幼児を被験者とした実験においても認められた。 今後、自然画像認知の特性をさらに明らかにするためには、本研究によって媒介要因として指摘された印象変化がどのようなメカニズムで画像の認知プロセスに影響を及ぼしているか明らかにする必要がある。
|
-
[Publications] 安藤満代,箱田裕司: "蝶・蜂画像の認知におよぼす特徴の貢献度" 基礎心理学研究. 6. 12-20 (1997)
-
[Publications] 安藤満代,箱田裕司: "自然画像の認知におよぼす特徴変化の効果" 人間科学(九州大学文学部人間科学科紀要). 3. 19-30 (1997)
-
[Publications] 安藤満代,箱田裕司: "蝶画像の再認記憶における非対称的混同効果" 心理学研究. 69. 47-52 (1998)
-
[Publications] Yamada,Hakoda,& Uchino: "Addition and deletion of objects on memory for composition of scenes." Psychological Reports,. 82. 1203-1219 (1998)
-
[Publications] 安藤満代,箱田裕司: "猫画像の再認記憶における非対称的混同効果" 心理学研究. (印刷中).