1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410039
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
木村 邦博 東北大学, 文学部, 助教授 (80202042)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 計二 関西学院大学, 総合政策学部, 教授 (00198714)
志田 えり子 (永田 えり子) 滋賀大学, 経済学部, 教授 (90208009)
佐藤 嘉倫 東北大学, 文学部, 助教授 (90196288)
岩本 健良 金沢大学, 文学部, 助教授 (50211066)
三隅 一人 九州大学, 大学院・比較社会文化研究科, 助教授 (80190627)
|
Keywords | 合理的選択理論 / 数理モデル / ゲーム理論 / 社会調査データの分析 / メタ理論 / 進化ゲーム |
Research Abstract |
前年度までの研究をふまえ、基礎理論・モデル構築・実証研究の三者の相互関係を意識しつつ、研究分担者・協力者が互いにコメントをしあいながら、各自の研究のまとめを行った。 これまで、信頼、選択的交際、合意形成、社会運動、連立政権など、具体的な社会現象を念頭において、合理的選択理論の観点から様々な数理モデルを構築しようとしてきた。今年度の活動を通して、それらのモデルを完成させ、解析を行うことができた。その結果、コミュニケーションが信頼関係に与える影響、合意形成過程において全員一致に至るような評価原理の組み合わせの性質、などに関する知見を得ることができた。 数理モデルの中でも、特に進化論的な発想に依拠したものに注目し、合理性と「進化」、学習との関連に関する基礎理論的考察や先行研究のレビューを行った。それと並行して、権力現象・合意形成過程に関して進化ゲーム理論の視点からアプローチした研究を進めた。 また、ごみ問題や集合行為・社会運動に関する調査データを用いて、合理的選択理論から導かれる予想の検証・反証を試みる研究も進めた。選択・行為と規範意識の因果関係の問題など、今後もなお検討すべき課題は多いけれども、合理的選択理論を実証的研究と結びつける道筋を明確にすることができた。 さらに、合理的選択理論が社会学においてどのような意義を持つかについて、実証的・規範的・処方的観点から議論を行った。 以上の成果を研究成果報告書にまとめた。この報告書には、27の論考が収められている。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 小林 盾: "多様な評価原理からの全員一致 -繰り返し評価形成モデル-"理論と方法. 14・1. 125-140 (1999)
-
[Publications] 七條達弘、中野康人: "シミュレーションにおける学習モデルの性質 -シミュレーションの基礎理論構築へ向けて-"理論と方法. 14・2. 89-101 (1999)
-
[Publications] 丸田 利昌: "進化ゲーム"数理科学. 437. 56-65 (1999)
-
[Publications] 数土 直紀: "自由の社会理論"多賀出版. 309 (2000)