1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410070
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Research Institution | Aichi University of Education |
Principal Investigator |
折出 健二 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20109367)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
照本 祥敬 琉球大学, 教育学部, 助教授 (10227530)
鈴木 庸裕 福島大学, 教育学部, 助教授 (70226538)
片岡 洋子 千葉大学, 教育学部, 助教授 (80226018)
浅野 誠 中京大学, 教養部, 教授 (20044951)
河内 徳子 大東文化大学, 文学部, 教授 (10129934)
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Keywords | いじめの対処 / 対立解決のプログラム / アクティヴィティ |
Research Abstract |
1 【いじめ発生の社会的・集団的構造と対処の検討】第一次年度に続いていじめに関する文献・資料を検討する一方で、カナダのトロント大学、ヨーク大学の研究者からの助言を参考にして、いじめ発生の構造と対処について考察した。その結果、いじめはパワー構造による一種の攻撃形態であり、仲間集団内部におけるパワーの非対称性、コミュニケーションの力、いじめられる子どもの訴える場の保障、b)いじめる子のパワー表現の支援、地域コミュニティの確立に取り組む教職員と父母との連携等に重要な課題があることが明らかになった。 2 【いじめ対処・指導のプログラム開発】カナダの公立学校で開発実施されている対立解決(Conflict Resolution)プログラムを参考にしつつ、日本の学級の実態に即した指導プログラムを昨年度の第一次試案をもとに研究協力校との共同で改善・開発を試みた。 沖縄県那覇市立高良小学校(浅野・照本・楠) 神奈川県横浜市立錦台中学校(河内・藤本・乾・析出) 東京都町田市立成瀬台中学校(片岡) 私立聖霊中・高等学校(愛知:浅野) 福島・埼玉・東京・千葉・神奈川・愛知の教師の協力も得られ、おおよそ2時間の標準的なプログラムの改良素案を作成し、アクティヴィティ事例第二集として冊子にまとめた(自費作成)。 3 【地域における連携の開発】鈴木・沼口・長田は初年度に続き、福島を中心に、いじめ対処の開発ネットワークづくりの支援を試みいじめ対処プログラムを軸にした連携が可能になりつつある。 4 【国際的視野からの助言】10年12月、国際学術研究部門の「いじめ」調査の一環で来日したトロント大学K.ビックモア、ヨーク大学のD.ペプラー両教授からカリキュラム開発の課題及びいじめの対処についてレクチュアを受けた。特にペプラー教授にはいじめ対処の指針について愛知教育大学教育実践総合センターと東京で講演していただき、第二次指導プログラム開発にとって有益であった。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 鈴木 庸裕: "「いじめ環境」へのケアに関する考察" 福島大学教育学部論集. 64. 41-58 (1998)
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[Publications] 鈴木 庸裕: "いじめ克服におけるConflict Resolution Programの開発的研究" 福島大学教育学部論集. 64. 21-40 (1998)
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[Publications] 折出 健二: "少年期疎外と教育改革のあり方" 愛知教育大学研究報告. 48. 17-25 (1999)
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[Publications] 折出 健二: "いじめ・孤立から参加・自治・友情へ" 自費出版, 147 (1998)
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[Publications] 折出 健二: "いじめ・孤立から参加・自治・友情へ 第2集" 自費出版, 91 (1999)