1997 Fiscal Year Annual Research Report
中国ナショナリズムと少数民族文化の変容過程に関する文化人類学的研究
Project/Area Number |
09410088
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
丸山 孝一 九州大学, 教育学部, 教授 (80037035)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西原 明史 九州大学, 教育学部, 非常勤研究員 (60274411)
金 俊華 九州大学, 教育学部, 助手 (30284459)
片山 隆裕 西南学院大学, 文学部, 教授 (90169475)
聶 莉莉 西南学院大学, 文学部, 助教授 (00258493)
佐々木 衛 山口大学, 人文学部, 教授 (60136398)
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Keywords | 中国 / ナショナリズム / 文化変容 / 朝鮮族 / ウイグル族 / 文化的指向性 / 民族政策 / エスノグラフィー |
Research Abstract |
本研究は多民族国家中国において、少数民族がいかなる文化的指向性を持ち、これが中央政府の民族政策の中で持つ意味について考察することを目的とする。特にわれわれはウイグル族と朝鮮族を取り上げ、前者が国家の枠に収まりつつも、独自の文化的ベクトルを強く持ち続け、後者は中央政府=漢民族中心の基本的価値体系を受容しながら、依然として独自文化を維持し続けているとの仮説を提示している。 本年度における研究実績としては次の通りである。 (1)中国政府の少数民族政策、特に教育政策に立案に関する資料の収集をした。特に、この点の専門家である王錫宏氏(中央民族大学高等教育研究室)の来訪を受け、情報交換をすることが出来た。 (2)丸山、金、西原3名は北京を訪問し、中央民族大学民族学研究院長楊経敏教授らと本研究課題について懇談して益するところが大きかった。 (3)この際、北京では別途滞在中の佐々木衞教授(山口大学・本研究協力者)と会うことが出来、情報交換をして有益であった。 (4)朝鮮族については、金が中心となって吉林省朝鮮族延辺自治州における朝鮮族の民族誌関係資料を収集した。これに従来から佐々木、聶が集めた資料を比較検討した。 (5)朝鮮族の民族的指向性については、今後なお見つめ続ける必要がある。共産主義的価値観はこれを認めながら、資本主義的出世意欲が旺盛であると見る。 (6)ウイグル族については、丸山、西原が従来から収集した資料と対比することにより、その文化的指向性をなお明確に把握しようとしている。
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