1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09410121
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
中村 紘一 京都大学, 文学研究科, 教授 (70025047)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
若島 正 京都大学, 文学研究科, 助教授 (10175060)
佐々木 徹 京都大学, 文学研究科, 助教授 (30170682)
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Keywords | ハイパーテクスト / メルヴィル / ディケンズ / ハーディ / ナボコフ |
Research Abstract |
97年度の研究実施計画に基づき、まず各研究分担者がハイパーテクスト製作に関する基礎的な技術の習得につとめた。 中村と佐々木はメルヴィル及びディケンズに関する資料の収集をほぼ終え、そのデータ化の作業に従事した。佐々木がロンドンのEveryman社から出したThomas Hardy,The Hand of Ethelbertaの編集・校訂本(「11.研究発表」の「図書」の項目参照)は、ディケンズと並んでもう一つの専門領域であるハーディの小説に綿密な注釈をほどこしたものであり、そのデータの整理にあたっては本研究で得た知識が充分に活用されており、いわば副産物と呼べるものである。 また、若島はその専門領域であるウラジーミル・ナボコフ研究に本研究を組み込もうとしており、難解とされてきたPale FireやAdaといった小説に対して注釈を付け、それをハイパーテクストの特徴であるcross referenceやnon-linearreadingが可能になる形でデータ化する作業に従事した。また、発表した論文「反重力の想像力ージョイス、ナボコフ、カルヴィーノ」 (「11.研究発表」の「雑誌論文」の項目参照)は、世紀末から今世紀初頭にかけての飛行熱を素材にして、反重力または飛翔という想像力のあり方から見た20世紀文学の系譜を記述したもので、テクノロジーと文学とのインターフェイスを探ろうとした試みであり、本研究ともその方向性を一にしている。 こうした準備をふまえて、98年度には研究成果を冊子にして発表することが出来た。
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[Publications] Toru Sasaki: "Dickens in Confusion? Discrepancies in the Denouement of Martin Chujziewit" The Dickensian. 94.1. 21-24 (1998)
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[Publications] Toru Sasaki: "Hardy and Eliot : A Response" The George Eliot Review. 29. 71-72 (1998)
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[Publications] 若島 正: "反重力の想像力ージョイス,ナボコフ,カルヴィーノ" Inter Communication. 23. 32-37 (1998)
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[Publications] 若島 正: "はめこまれた歯-ナボコフのアメリカ" 英文學春秋. 3. 43-60 (1998)
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[Publications] 中村紘一(訳): "エドマンド・ウィルソン著『愛国の血糊』" 研究社出版, 566 (1998)
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[Publications] 佐々木 徹(校訂・編集): "Thomas Hardy著 The Hand of Ethelberta" Everyman Paperbacks, 403+xxxvii (1998)