1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09420014
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山影 進 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (10115959)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小笠原 高雪 山梨学院大学, 法学部, 助教授 (50247467)
山本 吉宣 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (20092025)
白石 隆 京都大学, 東南アジア研究センター, 教授 (40092241)
黒柳 米司 大東文化大学, 法学部, 教授 (00186553)
|
Keywords | ASEAN / アジア太平洋 / 地域主義 |
Research Abstract |
今年度は、昨年度におこなった研究者相互の理論的関心のすり合わせを基礎にして、分担作業を進めた。特に、一昨年来の東南アジア各国における政治・経済危機と域内外の各国や国際組織の対応を重要な分析課題に設定した。具体的には、ASEANがどのような対応をしているのか、そして日本がどのように関与しているのか、APECなど広域的な地域協力とグローバルな国際組織との関係は危機対処をめぐってどのようになっているのか、などを重要な研究課題に設定した。まだ成果を発表する段階にはないが、共同研究者たちは学会その他で見解を明らかにして議論を深めている。また、新しい情勢の展開を踏まえて、ASEANの再評価のための共同討議を深めた。その結果、従来から協力の基本的前提に位置づけられてきた内政不干渉原則が揺らいでいるのではないか、という仮説が出てきた。この問題はきわめて重要なので、来年度に分析を深めることにした。このような活動と並行して、東南アジアとアジア太平洋の国際協力に関する各種文書データベースの整備作業を進めた。特に、ASEAN関係文書については、本研究により、従来の作業(特に重点領域研究「総合的地域研究」)では収集しきれなかった文書の収集や確認できなかった会議開催情報の調査などを実施することができた。その成果を活用して、基盤研究(B)(1) 「クロノロジカル・データの相互引用による国際情勢分析システムの作成」の成果を補完して、総合的なデータベースを開発できた。
|
-
[Publications] 山影 進: "ASEANの30年が築いたものは何か" 「アジア型リーダーシップ」と国家形成. 227-245 (1998)
-
[Publications] 山影 進: "アジアの国際関係と地域安全保障システム" アジア大混乱. 226-243 (1998)
-
[Publications] 白石 隆: "アジアをどう見るか" アジア大混乱. 315-329 (1998)
-
[Publications] 小笠原 高雪: "アジア太平洋の地域主義" 東アジア国際関係のタイナミズム. 161-183 (1998)
-
[Publications] 山本吉宣: "グローバリゼーション-その意味と意義" 新しい世界像. 35-60 (1998)
-
[Publications] 山本吉宣: "安全保障レジーム" 国際政治. 117号. 21-38 (1998)