国際労働力移動における地域ネットワークの形成と政策課題に関する国際比較研究

1999 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 09430010
• Research Institution: Hosei University
• Principal Investigator: 森 廣正 法政大学, 経済学部, 教授 (10105869)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 森 博美 法政大学, 経済学部, 教授 (40105854) ; 山本 健兒 法政大学, 経済学部, 教授 (50136355) ; 西川 大二郎 法政大学, 名誉教授 (80061018) ; 宮脇 典彦 法政大学, 経済学部, 教授 (60190823) ; 山本 真鳥 法政大学, 経済学部, 教授 (20174815)
• Keywords: 国際労働力移動 / グローバル化 / 外国人労働者 / 日系ブラジル人 / エスニック・ビジネス / 不法就労者 / 社会的ネットワーク / 多文化社会

Research Abstract

1999年度は、これまでの調査研究の補足とまとめの作業が中心であった。過去2年間にのべ30回実施したヒアリングとアンケート調査の結果から、日系ブラジル人の雇用の現状や複雑な雇用形態、定住化とネットワークの形成、地方自治体の外国人住民対策、国際交流協会の現状、日系人労働者の移動性、外国人自営業の発展、日系人雇用企業と日系人労働者の変化の兆しなどについて、研究所のワーキングペーパーで公表したり、下記の国際シンポジウムで報告した。他方、オーバースティを余儀なくされているアジア系「不法就労」外国人労働者の数は、不況にもかかわらず大幅に減少することなく今日至っている。オーバースティであってもアジア系外国人の滞在の長期化は進んでおり、労働組合をはじめとする援助・支援団体とのネットワークの形成も進んでいる。本年度前半では、日系人やアジア系外国人の現状に関する研究会活動の成果を月1冊のペースで研究所のワーキングペーパーで公表してきた。
1999年秋には、「国際労働力移動のグローバル化と外国人定住-ネットワーク形成と政策課題-」というテーマでの国際シンポジウムを開催した。11月20日〜21日の2日間にわたった国際シンポジウムには、ブラジル、フィリピン、ドイツ、オーストラリアなどの国外からの報告者、沖縄をはじめ国内各地からの報告書を招聘し、テーマに関する多様な報告を受けた。これまでの国際調査にもとづくプロジェクトメンバーの報告を交えたシンポジウムは、国外と国内におけるプロジェクトの研究活動を総括する内容で構成することができた。また、本研究の成果として「在日日系人アンケート調査」などの国内調査研究を中心とした報告書(冊子)を公表する。

Research Products

• [Publications] 森 廣正: "ドイツにおける外国人問題をめぐる最近の動向"大原社会問題研究所雑誌. 474号. 49-57 (1998)
• [Publications] 森 廣正: "ドイツの外国人労働者と多文化社会化の試み"教育(教育科学研究会編). 10月号. 78-85 (1998)
• [Publications] 森 廣正: "今日の外国人労働者・住民の実態"WORKING PAPER. No.74. 1-22 (1999)
• [Publications] 森 廣正: "国際労働力移動-研究方法・経過、本書の構成-"『国際労働力移動のグローバル化』法政大学出版局. 1-14 (2000)
• [Publications] 森 廣正: "新しい段階を迎えたドイツの外国人労働者・住民問題"『国際労働力移動のグローバル化』法政大学出版局. 79-112 (2000)
• [Publications] 西川 大二郎: "来日日系人労働者の動向-アンケート調査の自由記入回答欄から-"国際労働力移動のグローバル化 法政大学出版局. 377-404 (2000)
• [Publications] 斎藤 英里: "19世紀イギリスにおけるアイルランド人移民の特質"国際労働力移動のグローバル化 法政大学出版局. 15-43 (2000)
• [Publications] 森 博美: "Foreign Workers in the Bubble and Post-bubble Economy in Japan"Journal of International Economic Studies. No.13. 83-99 (1999)
• [Publications] 山本 真鳥: "Samoan Diaspora and Ceremonial Exchange"Ken'ichi Sudo & Shuji Yoshida eds.Contemporary Migration in Oceania:Diaspora and Network.JCAS Symposium Series. 3. 67-76 (1997)
• [Publications] 山本 真鳥: "フィールドノート・サモア移民の「伝統的」団体旅行"法政大学多摩論集. 14巻. 257-288 (1998)
• [Publications] 山本 真鳥: "隙間に生きる人々-あるサモア移民家族のハワイ暮らし-"国際労働力移動のグローバル化 法政大学出版局. 229-271 (2000)
• [Publications] 吉村 真子: "1990年代のマレーシアの労働力構造"大原社会問題研究所雑誌. 464号. 1-14 (1997)
• [Publications] 吉村 真子: "1990年代のマレーシアの労働力構造の変化"社会政策学会編 アジアの労働と生活 お茶の水書房. 51-69 (1998)
• [Publications] 吉村 真子: "東南アジアの経済発展と社会変化"吉田 元夫編 南から見た世界<東南アジア・南アジア> 大月書店. 45-75 (1999)
• [Publications] 吉村 真子: "Economic Development and Labour Structure in Malaysia in the 1990's"Journal of International Economic Studies. No.12. 87-99 (1998)
• [Publications] 吉村 真子: "マレーシアの経済発展と外国人労働者"国際労働力移動のグローバル化 法政大学出版局. 191-228 (2000)
• [Publications] 吉村 真子: "国際労働力移動におけるアジア女性"国際労働力移動のグローバル化 法政大学出版局. 321-346 (2000)
• [Publications] 千葉 立也: "定着化する外国人雇用とニューカマーを支える社会・空間的基盤"文部省科学研究費成果報告. (1997)
• [Publications] 阿部 正昭: "第二次大戦初期のドイツ戦争経済とイタリア人労働者"大原社会問題研究所雑誌. 475号. 1-15 (1998)
• [Publications] 阿部 正昭: "戦間期ドイツの外国人労働者-ナチス政権成立期-"『国際労働力移動のグローバル化』 法政大学出版局. 44-78 (2000)
• [Publications] 山本 健兒: "在独トルコ人への「差別」とイスラム組織-二つの著書に対する論評-"地理学評論. 70巻3号. 131-155 (1997)
• [Publications] 山本 健兒: "20世紀初頭におけるルール地域鉱工業都市のポーランド人-デュースブルク市ハンボルンの都市化と移民マイノリティの居住パターン-"経済志林. 65巻1号. 45-109 (1997)
• [Publications] 山本 健兒: "ドイツ・デュースブルクにおける外国人ゲットー化と都市計画"地理学評論. 70巻12号. 775-797 (1997)
• [Publications] 山本 健兒: "1990年代のドイツをめぐる国際人口移動"統計(日本統計協会). 49巻3号. 21-28 (1998)
• [Publications] 山本 健兒: "スラム化・ゲットー化街区の再活性化をめぐる市民運動-1970年代ドイツ・デュースブルクの問題地区-"経済志林. 66巻1号. 45-108 (1998)
• [Publications] 山本 健兒: "ドイツ都市のトルコ人集中街区に見るドイツ人とトルコ人との関係"経済志林. 66巻2号. 71-111 (1998)
• [Publications] 山本 健兒: "1990年代におけるドイツ都市の外国人ゲットー化街区の状況"人文地理. 50巻6号. 589-605 (1998)
• [Publications] 山本 健兒: "ドイツの外国人と市民権-イギリスとの比較-"地理. 8月増刊号. 72-78 (1999)
• [Publications] 山本 健兒: "スウェーデンへの移民と移民問題"地誌研年報. 9号. (2000)
• [Publications] 森 博美: "日本における外国人の死亡特性について"統計研究参考資料(法政大学日本統計研究所). 53号. 1-69 (1997)
• [Publications] 中川 功: "「アルメリアの奇跡」とEU域内野菜主産地の移動"スペイン史学会会報. 54号. 6-8 (1997)
• [Publications] 中川 功: "EUの野菜主産地へと成長するスペイン南部の施設農業-アンダルシア自治州沿岸部への園芸生産と流通の集中-"1997年度日本農業経済学会論文集. 385-390 (1997)
• [Publications] 中川 功: "EU加盟からブロック経済の一員へ"『スペインの歴史』昭和堂. 267-274 (1998)
• [Publications] 中川 功: "アジア系外国人労働者の現状"法政大学比較経済研究所主催国際シンポジウム:国際労働力移動のグローバル化と外国人定住. 1-6 (1999)
• [Publications] 中川 功: "「銀世界」をめざすマグレブ系労働者のスペイン定住化"『国際労働力移動のグローバル化』 法政大学出版局. 113-149 (2000)
• [Publications] 中川 功: "日系人の滞在長期化にともなう就労・生活環境の調整"科学研究費研究成果報告書. 92-108 (2000)
• [Publications] 斎藤 英里: "アイルランド経済史から見た移民の特質"ニール(アイルランド研究). 17号. 165-168 (1997)
• [Publications] 斎藤 英里: "比較経済史学の方法とアイルランド"北海道武蔵女子短期大学紀要. 30号. 79-104 (1998)
• [Publications] 斎藤 英里: "アイルランド移民についての基礎的考察"武蔵野女子大学現在社会学部紀要. 1号. 63-76 (2000)
• [Publications] 森 廣正 編著: "国際労働力移動のグローバル化 -外国人定住と政策課題-"法政大学出版局. 424 (2000)
• [Publications] 吉村 真子: "マレーシアの経済発展と労働力構造"法政大学出版局. 281 (1998)