1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09430012
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Research Institution | Nagaoka Junior College |
Principal Investigator |
原田 誠司 長岡短期大学, 経営情報学科, 教授 (90228643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 久雄 富山国際大学, 人文学部, 教授 (50232260)
兒嶋 俊郎 長岡短期大学, 経済学科, 助教授 (90225433)
高橋 哲郎 長岡短期大学, 経営情報学科, 助教授 (90226853)
秋谷 紀男 長岡短期大学, 経営情報学科, 助教授 (00202549)
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Keywords | 産業集積分析手法 / ネットワーク型企業 / 地域コーディネーター・システム / 総合都市政策 |
Research Abstract |
今年度の研究で抽出したポイントは、以下の通りである。第一に、新しい産業集積分析手法の開発である。産業の国際競争力の源泉である産業集積のダイナミズムを分析する手法はこれまで十分に開発されてこなかったが、地域産業システム概念の分析・具体化により可能となった。企業間関係-産業クラスター-インキュベートシステム-情報環境の4つのあり方を分析することにより、産業集積の類型とその競争力を分析できる。 第二に、ネットワーク型企業の生成である。日本工業の中心である京浜地域の垂直型産業システムの崩壊は、世界調達型大企業群とネットワーク型中小企業群への分化を生みだしている。なかでも、大田区は工作・産業機械産業クラスター下のネットワーク型中小企業群の集積に転換している。しかし、インキュベートシステムと情報環境(大学等)は十分ではなく、大都市型中小製造業の競争力の限界がみられる。 第三に、地域コーディネーター・システムである。地方の工業集積地域であるテクノポリス地域は、大きな差が出ている。概ねインキュベートシステムの形成がテクノポリス財団の課題となりつつあるが、情報環境を支える地域コーディネーター・システムの形成の困難が最大の問題となっている。地域コーディネーター・システムの形成の可否がテクノポリスの、ひいては地方の工業集積地域の行方を決定づけると言える。 第四に、総合都市政策の必要性である。大田区や川崎市のような大都市だけでなく、地方のテクノポリス地域でも、産業集積と都市づくりを密接に関連させた総合的な都市政策が不可欠である。情報環境は、この総合都市政策なくして形成されない。地域優位はこの点にかかっている。
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Research Products
(2 results)