1999 Fiscal Year Annual Research Report
産業イノベーション生成のメカニズム:理論的、記述的、実証的研究
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09430023
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
野中 郁次郎 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 教授 (30065437)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米倉 誠一郎 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (00158528)
ラインメラ パトリック 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助手 (60293403)
梅本 勝博 北陸先端科学技術大学院大学, 知識科学研究科, 助教授 (40114938)
青島 矢一 一橋大学, イノベーション研究センター, 助教授 (70282928)
西口 敏宏 一橋大学, イノベーション研究センター, 教授 (20270928)
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Keywords | 知識創造 / 場 / イノベーションのケーススタディ / 企業家能力 / 企業内ネットワーク / 流動性システム |
Research Abstract |
本研究は、(a)イノベーションの生成メカニズムに関する理論構築、(b)日本企業で行ってきたイノベーション活動のデータベースの構築、(c)企業内ネットワーク、産業エンジニアの組織間移動に関する国際実証研究の3つの研究モジュールからなる総合的な研究であった。それぞれについて以下のような実績が得られた。 (a)の理論構築では各参加者から多様な成果が得られた。中心的な役割を果たした野中は、自らの知識創造理論を場の理論と融合させることによって、組織的知識創造過程の理解を一層深化させた。野中の理論的作業は梅本、ラインメラとの共同の成果でもある。また西口も場の理論という立場から、組織内もしくは組織間のレベルで起きる知識創造のプロセスの理論的理解に貢献した。 (b)に関しては以下のようなイノベーションに関する多様なケースが蓄積された。 デルコンピュータ、アイシン精機、ソフトバンク、カルチュア・コンビニエンス、ぴあ株式会社、パソナ、ヤマト運輸、デジキューブ、グロービス、オリンパス光学:DIプロジェクト、日亜化学工業、カシオ計算機:QV 10、Shimano,Inc、スターバックスケース、通信事業用コンピューターシステムの開発 (c)に関しては、日本国内で大規模質問票調査が実施された。企業間ネットワークに関する質問票では組織形態、組織プロセス、管理携帯などの経時的変化を調査して企業内ネットワークの発展状況を明らかにした。一方、産業エンジニアの組織間移動に関する質問票は半導体産業に関連する研究者・技術者5000人に配布して、企業間移動、地理的移動、専門分野間移動、機能部門間異動、アプリケーション分野間移動など8つの軸に沿って流動性をシステムとして分析した。約35%の人が少なくとも1度は組織間移動の経験がある、移動の多い人はあらゆる軸で移動している、など興味深い結果が得られている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Yaichi Aoshima,Akira Takeishi,and Masaru Karube: "Mobility of R&D Workers in the Semiconductor Industry: Preliminary Results"Working Paper,IIR,Hitotsubashi University. (2000)
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[Publications] 西口敏宏,アレクサンダ ボーデ: "カオスにおける自己組織化-トヨタグループとアイシン精機火災"組織科学. 32-4. 58-72 (1999)
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[Publications] Ikujiro Nonaka and Toshihiro Nishiguchi (eds.): "Knowledge Emergence: Social,Technical and Evolutionary Dimensions of Knowledge Creation"Oxford University Press (forthcoming). (2000)