1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
長瀬 道弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70034733)
高橋 智 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70226835)
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
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Keywords | ケーラー多様体 / 変形 / 代数多様体 / 倉西空間 / 擬等角写像 / 直線束 |
Research Abstract |
今年度は,目標の基本的な部分,任意のコンパクトケーラー多様体は射影代数多様体の微少変型であることを示すこと,に対する方針を固め,その半分程度を遂行した.また,当初,予想していなかった副産物も得ることができた.現在考えている方針は次の通り. 1 コンパクトケーラー多様体上,十分正の曲率をもち正則に近い直線束の存在を示す. 2 この直線束の切断のうち,ある楕円型作用素の解となるものを用いて,この多様体を次元の高い複素射影空間に埋め込む. 3 この埋め込みによる像が,複素部分多様体となる,すなわち,この埋め込みが擬等角写像である,ことを示す. 4 埋め込みの像の複素構造は,元の複素構造の微少変型であることを示す. このうち,1,2は当所の予想通り証明することができた.さらに2で用いた楕円型作用素の解の評価を導き,埋め込みがどの程度正則に近いか評価した.この評価を用いて,4も,3を仮定すれば証明できることが解った.3は,2で用いた楕円型作用素の,ある重み付きの評価に帰着できることが解った.これはさらに,4の証明の副産物として,一般のコンパクト複素多様体の倉西空間のトポロジーに関する倉西の評価の改良が得られた。具体的に計算可能な状況に帰着されることが解り,現在,計算を遂行中である.
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