1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440032
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
長瀬 道弘 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70034733)
高橋 智 大阪大学, 大学院・理学研究科, 講師 (70226835)
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
臼井 三平 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90117002)
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Keywords | ケーラー多様体 / 代数多様体 / 変形 / ディラック型作用素 / L^2評価 / 森理論 |
Research Abstract |
昨年度までの研究により,任意のコンパクトケーラー多様体が,射影代数多様体まで変型できるかどうかは,適当な意味で十分に正な可微分直線束に価を持つ微分形式に対するディラック型作用素の重み付きL2評価に帰着されることが分かった.本年度は,この評価の証明の完成を目指すとともに,定理の証明の完成を見越して,応用を考えた. l 定理の証明 上で述べた多様体上の評価は,局所化することが可能で,複素ユークリッド空間上の標準的な計量をもつ正則直線東上のディラック型作用素の評価に帰着されることが分かった.特に,複素ユークリッド空間から原点を除いたところで定義された直線束の切断に対するディラック方程式の解の原点付近での増大度を調べることが必要になった.この場合には,標準的な計量は回転対称であるので古典的な手法,すなわち,球面方向への固有函数展開により常微分方程式の問題に帰着させる,を用いることができる.我々の解は,古典的な特殊函数では,表せないようであるが,これらと比較することにより必要な増大度に対する評価を得た.この評価を行うにあたって計算機によるかなりの量の数値実験を行った. 2 応用 上の評価が完成すれば,目標とする定理はスキームの意味での部分多様体を固定する変型についても適当かつ十分満足の行く形で成り立つことが分かった.これから,3次元ケーラー多様体に対しても,森の錐定理が成り立つことが示せた.一般次元に対しても証明の見通しを得ている. 来年度 変型に関する定理の証明を完成させるともに,ケーラー多様体の森理論を示すことを目標とする.
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