1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440033
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
作間 誠 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30178602)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 昌昭 奈良女子大学, 理学部, 助教授 (80192821)
榎 一郎 大阪大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20146806)
満渕 俊樹 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80116102)
川久保 勝夫 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (50028198)
伊吹山 知義 大阪大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60011722)
|
Keywords | 双曲構造 / 結び目 / 2橋結び目 / コーン多様体 / 穴開きトーラス |
Research Abstract |
1。Jorgensen理論の整備。穴開きトーラス群のPSL(2,C)表現の擬等角変形とその極限に関するJorgensen理論はいまだに論文として発表されていなく不明な点も多いが、研究代表者のみならず、様々な研究者の関心を引いている。そのなかで我々は、穴開きトーラス群の擬フックス表現のフォード基本領域の組み合わせ構造に関するJorgensenの主張をきちんと定式化し証明をつけるのに成功した。 2。Jorgensen理論解明のためのコンピュータソフトの開発。研究分担者の和田昌昭は穴開きトーラス群のPLS(2,C)表現のフォード基本領域、極限集合の変化の様子が文字どおり手にとるように見えるようになった。このソフトは我々の研究グループのみならず、函数論研究者によっても活用されている。 3。Two-parabolic groupへのJorgensen理論の拡張。2つのparabolic transformationで生成される自由離散群に対してもJorgensen理論の類似が成立することがわかった。Jorgensen理論にまだ不備な点が残っているのと同じ理由により、この類似にも不備な点が残っている。これを解消し、きちんとした理論に完成するのは来年度の課題である。 4。2橋結び目の双曲構造理解への筋道。Free two-parabolic groupと2橋結び目をつなぐコーン多様体の連続族を発見した。研究(3)によりfree two-parabolic groupのフォード領域の組み合わせ構造が理解できたが、和田のソフトを使った実験によると、上のコーン多様体族の「フォード基本領域」は本質的に全て同一である。これが本当にそうであると証明できたら、2橋結び目補空間の標準的分解が解明されたことになる。これは、次年度の重要課題である。 5。2橋結び目群の間の全射準同型写像。上述の研究の副産物として次の諸結果の精密化を得た。(1)2橋結び目群の間の全射準同型写像の存在に関する大槻-Rileyの結果、(2)Heckoid groupに関するRileyの結果、(3)2橋結び目補空間の垂直測地線の長さに関するAdamsの結果。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 作間誠: "On the homology of finite abelian coverings of links" Canadian Mathematical Bulletin. 40(3). 309-315 (1997)
-
[Publications] 和田昌昭: "Parabolic representations of the groups of mutant knots" Journal of Knot Theory and its rainifications. 6(6). 895-905 (1997)
-
[Publications] 小林毅: "Essential tangle decomposition from thin position of a link" Pacific Journal of Mathematics. 179(1). 101-117 (1997)