1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440063
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 真理 山口大学, 工学部, 助教授 (40201389)
幡谷 泰史 山口大学, 理学部, 助手 (20294621)
郷間 知巳 山口大学, 理学部, 助手 (70253135)
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
加藤 崇雄 山口大学, 理学部, 教授 (10016157)
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Keywords | リーマン面 / 正則写像 / 等角写像 / タイヒミュラー空間 |
Research Abstract |
有限正種数の印付き開リーマン面Rが与えられたとき,同種数の印付き閉リーマン面のうち,Rからの正則写像で同相写像とホモトピックなものが存在するもの全体のなす空間Hの性質を考察した.この空間はタイヒミュラー空間Tの部分集合である.まず,種数が1のときHはTに一致するが,種数が1より大きいときにはHはTのコンパクト部分集合であることを示した.次に,Rを等角に埋め込ませるような同種数の印付き閉リーマン面の集合をMとし,MとHを比較した.明らかに,MはHの部分集合であり,種数が1より大きくて,Rが閉リーマン面から離散集合を除いて得られるリーマン面と等角同値であればMとHは一致する.対照的に,Rが縁状境界成分を持てば,MはHの真部分集合であることを証明した.この結果を応用して,双曲的長さが定義するT上の関数と空間Mとの関係を考察した. この他に,加藤は,単位円板の2葉の被覆リーマン面から各分岐点を中心とする小さい円板を除いて得られる開リーマン面において,そのリーマン面上の点が有界正則関数により分離されるか否かという問題と,除いた円板の半径との関係を調べた. また,柳原は,単位円板上の正則関数のうち重要なクラスを構成するブロック関数族について,単葉関数論や正則二次微分の理論を駆使して,その増大度の精密な評価を与えた. さらに,郷間は,ショットキー・ダブルが超楕円的である非平面型開リーマン面上のアールフォース関数の次数について調べた.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Mikihiro Hayashi: "Point separation of a two-sheeted disc by bounded analytic functions" Hokkaido Mathematical Journal. 27. 553-565 (1998)
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[Publications] Takao Kato: "Variety of special linear systems on k-sheeted coverings" Geometriae Dedicata. 69. 53-65 (1998)
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[Publications] Tomomi Gouma: "Ahlfors functions on non-planar Riemann surfaces whose double are hyperelliptic" Journal of Mathematical Society of Japan. 50. 685-695 (1998)