1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440077
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中村 佳正 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (50172458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梶原 健司 同志社大学, 工学部, 助教授 (40268115)
広田 良吾 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00066599)
長井 英生 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (70110848)
福島 正俊 大阪大学, 大学院・基礎工学研究科, 教授 (90015503)
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Keywords | 離散時間可積分系 / アルゴリズム / 差分法 / 反復法 |
Research Abstract |
平成9年度は本科研費の援助のもとで合計21件の研究発表と研究打ち合わせ国内出張を行った.そのうち7件は研究代表者が企画した可積分系研究集会講演者への出張依頼である.また,分担者の一人の講演のための外国出張を援助した.さらに,代表者の教室に数値シミュレーション用計算機1台とプリンタを購入し,大学院学生によるプログラミング補助を得てアルゴリズムの数値実験を行った.以上の研究活動へのサポートを感謝する.この研究課題に関連して平成9年度には次の進展があった. まず,単振り子や非調和振動子などのセパラトリックスをもつ可積分力学系を広田差分法を用いて時間離散化した。離散系もまたセパラトリックスと離散版の保存量をもつが,セパラトリックスに対応する保存量の値は連続系の場合に完全に一致することがわかった.また,線形計画問題をRayleigh商の最小化問題ととらえ,可積分な勾配系の可積分な離散化による新しい内点法アルゴリズムの定式化を行った.拘束条件のない場合にはKarmarkar法より少ない計算量で最適解に収束する.この内点法の超離散極限,および関連する離散最適化問題が見いだされた.さらに,1元の非線形方程式の反復解法であるSteffensen法を拡張して任意の収束次数をもつ反復解法を定式化した.新しい反復解法はHankel行列式の比を反復関数としている.εアルゴリズムの援用により計算量の増大を押さえることができ,Kepler方程式の解法では実際にSteffensen法より計算量が減少することを確かめた.
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[Publications] Y.Nakamura, L.Faybusovich: "On explicitly solvable gradient systems of Moser-Karmarkar type" Journal of Mathematical Analysis and Applications. vol.205. 88-106 (1997)
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[Publications] Y.Nakamura: "Jacobi algorithm for symmetric eigenvalue problem and integrable gradient system of Lax form" Japan Journal of Industrial and Applied Mathematics. vol.14. 159-168 (1997)
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[Publications] Y.Nakamura: "Calculating Laplace transforms in terms of the Toda molecule" SLAM Journal on Scientific Computing. (発表予定).
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[Publications] 中村佳正: "ソリトン理論と数値計算法" 電子情報通信学会誌. 80巻11号. 1143-1146 (1997)
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[Publications] R.Hirota, M.Iwao他: "From integrability to chaos in a Lotka-Volterra cellular automaton" Physics Letters A. vol.226. 39-44 (1997)
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[Publications] R.Hirota: ""Molecule solution" of coupled modified KdV equation" Journal of Physical Society in Japan. vol.66. 2530-2532 (1997)
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[Publications] 広田良吾: "差分学入門 情報化時代の微積分学" 培風館, 229 (1998)