1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440090
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長田 哲也 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (80208016)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉谷 光二 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 助教授 (80192615)
松原 英雄 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30219464)
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Keywords | 3.3μm輝線 / 冷却広視野カメラ / 銀河系構造 |
Research Abstract |
空間的にひろがった3.3μm輝線バンドを観測する冷却広視野カメラの開発を進めた。[光学系]口径25cmの主鏡と副鏡からなるリッチクレチエンシステムをアルミニウムの超精密切剤により製作し、その光学性能評価を行った。主鏡のフ-コーテストから鏡面形状を測定し、曲面係数が設計値どおりで、切削溝による光の散乱も問題ないことを確認した。さらに、副鏡も組み合わせてのハルトマンテストから、結像性能を評価したところ、設計値以上に数十%広がっていることがわかった。現在、2つの鏡の位置関係の調整を続けている。ただし、この結像は使用予定の検出器の2ピクセルに相当するサイズに集光しており、ちょうどナイキストサンプリングになるため、実用上はなんら問題ない。[電子回路系]素子数256×256のInSb検出器を駆動する回路系を製作し、十分な速度と読み出しノイズの低さを持っていることを確認した。この回路系は、さらに汎用に多くのアレイ検出器を同時に駆動できるものに改良し、この冷却カメラに搭載の予定である。 また、IRAS衛星で見つかった天体の中から、近赤外線のスペクトルエネルギー分布を使って、太陽の数倍程度までの質量を持つ若い星の候補を選別し、その3.3μmバンドの観測を行った。45天体中17天体が輝線バンドを示し、ハ-ビックAe/Be星(典型的な若い中質量天体)よりもさらにやや若い段階ではこの輝線を示す天体がきわめて多いのではないかとの示唆が得られた。また、近赤外線での撮像観測の結果、輝線バンドを持つ天体は、Jバンドでひろがった星雲をともなう場合が多いことも見出した。
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[Publications] Kobayashi,N.: "Near-Infrared Spectropolarimetry of T Tuuri" Astrophys.J.481. 936-942 (1997)
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[Publications] Goto,M.: "1-4 micrometer Spectroscopy of Very Red Stars Found in an I-Band Objective Prism Survey" PASJ.49. 485-492 (1997)
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[Publications] Yao,Y.: "Near-Infrared Polarimetric Study of Monoceros R2 IRS" Astrophys.J.490. 281-290 (1997)