1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09440096
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Research Institution | National Astronomical Observatory |
Principal Investigator |
松尾 宏 国立天文台, 野辺山宇宙電波観測所, 助手 (90192749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 浩 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 教授 (40135299)
野口 卓 国立天文台, 電波天文学研究系, 助教授 (90237826)
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Keywords | 超伝導トンネル接合 / 超伝導検出器 / 遠赤外線技術 / サブミリ波技術 / サブミリ波天文学 |
Research Abstract |
超伝導ニオブのトンネル接合の500GHzでのフォトン検出感度および電流ノイズの評価を様々な接合パラメータのもので行った。接合の構成としては、2つの並列接合を用いたPCTJ(Parallel Connected Twin Junction)および並列度を増したDJ(Distributed Junction)を用い、電流密度およびリーク電流の異なる接合を用いて測定した。その結果、次の点が明らかとなった。 ・低バイアス電圧においては、PCTJに比べ10素子のDJで高い量子効率が得られる。 ・電流ノイズにはショットノイズ起源のものとジョセフソンノイズ起源のものがある。 ・低リーク電流の素子では、電流ノイズはショットノイズのみで説明できる。 検出性能としては、10素子のDJで最も高い性能が得られ、NEP=4×10^<-14>W/√Hzが達成された。前年度に比べ約2桁低いNEPが得られ、実用素子としての見通しが得られたといえる。サブミリ波帯の実験室分光で用いられるInSb検出器と比べると、検出感度、応答速度とも1桁以上優れた検出器となった。 SISフォトン検出器の今後としては、さらにリークの低い素子の実現による検出感度の向上と共に、2次元アレイ化が期待される。このため、本研究の最終段階としてアレイ化のために必要なSIS素子の設計を行った。薄膜アンテナとDJタイプの接合を組み合わせることにより、さらに広帯域で性能の高い検出器が実現できる。同技術を用いることで大規模なアレイ化が可能となり、32×32素子程度のサブミリ波カメラの実現も近い将来可能である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] H.Matsuo: "Sensitirity Improvement of SIS photon Detectors" Proc.SPIE“Advanced Technology MMW.Radio and Teraherz Telescopes". 3357. 579-586 (1998)
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[Publications] H.Matsuo: "FTS Measurements of Submillimeter-Wave Atmosphenic Opacity at PanpulaBda" Publ.of Astron.Soc.of Japan. 50. 359 (1998)
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[Publications] 松尾宏: "SISフォトン検出器のサブミリ波への応用" 宇宙放射線シンポジューム「新しい半導体技術と天体観測用次世代検出器」. 33-36 (1998)